第62章 例えばこんな結婚式を 前編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
出る用事が無い時は
一緒に片付けをしてくれる
「じゃあ、旦那さんのお言葉に
素直に甘えちゃうね?ありがと」
「こちらこそ、ありがとうだがな?」
新聞に向けていた視線を
杏寿郎がこちらに向けて来て
「君のお陰で、朝から
俺は、こんな時間を過ごせてるんだからな」
「私は何もしてないしッ、
ご飯作って、コーヒー淹れただけだもん」
「照れる、奥さんも可愛らしいがな」
照れてないもんっご馳走様と
捨て台詞の様に残して
恥ずかしがり屋の奥さんは
洗面所に向かって行ってしまったが
それから 残りのコーヒーを飲んで
新聞にひとしきり目を通すと
畳みなおしてテーブルの隅に置いた
「さて、奥さんの支度が整う前に
こっちも終わらせるとするか」
みくりが洗面を済ませると
部屋に戻って着替えをしようと
クローゼットの服の前で
手に取ろうとした服を
取り出しかけて戻した
杏寿郎からは打ち合わせも
HPに写真で載せるから
小綺麗にして置いてと言われたので
「小綺麗にって、どれくらいなのかな?」
ご実家にお邪魔出来そうな位の
キッチリし過ぎずにラフ過ぎない様な
派手過ぎずにそれでいて女性らしい
淡い色合いの肌が透け過ぎない
ケミカルレースのトップスを2枚取ると
そのままキッチンに向かって
「ねぇ、杏寿郎。こっちとこっち
どっちがいい?こっちは肌やらしい?
見え過ぎ?それともあっちの
ピンクベージュの方がいい?」
そう早口で洗い物をしている
杏寿郎に向かって話しかけて
「あれでもいいぞ」
「あれ?どれ?あの
5分袖の小花柄のブラウスの事?」
「よくそれで分かったな、
あれは、どうだ?フリルが
胸元にあって女性らしいデザインだろう?」
とそこまで言って
顔を上げるとみくりは
そこに居なくて
「今日の奥さんも、せっかちみたいだな。
まぁ、仕事とは言えども結婚式なんだ。
夜からとは言えども、気持ちも急くか」
杏寿郎が
小花柄のブラウスがいいと言ったので
ベージュのふんわりとした
短か過ぎないスカートをそれに合わせた
化粧をして
纏めていたキャリーバックに
メイク道具と普段使ってる
化粧水とかも入れて 蓋を閉じた
「準備出来たよ?杏寿郎」
「そうか。なら俺も着替えるか」
本当に男の人ってこういう時
羨ましいって思っちゃう