第62章 例えばこんな結婚式を 前編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
杏寿郎が目を醒ますと
隣で眠っていたみくりは
既に起きている様で
キッチンから漂ってくる
コーヒーの香りで
その所在は 杏寿郎には理解出来たが
のそっと 身体を起こして
少し肌寒いと感じた
ああ そうか服…着ないで
そのまま眠ってたか
自分が脱いだ服を手探りで探すと
それを右手に束ねて持ったままで
寝室を後にする
「あ、杏寿郎。おはよう。
そろそろ、起こそうかなって思ってた
…ってなんて恰好してるのよっ!」
「ああ、おはよう。先に
シャワーをしようかと思ってな。
どうせ脱ぐんだから、そのまま来たんだが?」
しっしとみくりに
さっさとバスルームへ向かえと
追い払われてしまって
自分が引き留めたクセにと
思わなくも無いが
それから 軽く全身を流して
ダイニングへ向かうと
テーブルの上には
朝食とコーヒーと新聞が用意してあって
椅子に座りながら
杏寿郎がみくりに
「ベーグルサンド、結局3つ作ったのか?」
「だって、任せるって杏寿郎
言ったでしょ?もう、ココット
作らないで、ゆで卵にしたからさ。
どうせ、杏寿郎なら3つぐらい
朝から食べるだろからいいかなって」
四角い木製のプレート皿には
ベーグルサンドが3つ並んで
きちんと整列していて
万願寺と豚肉の炒め物
カリカリのベーコンのBLT
スモークサーモンとアボカドと
クリームチーズと玉ねぎのマリネの
それぞれに 別の具材の
ベーグルサンドと
カットされたオレンジと
バナナの半分に
みくりの好きな冷凍のライチ
が間仕切りで仕切られた右上にあって
「何?私はフレンチトーストだから。
フレンチトーストと、カリカリベーコンに
トマトと玉ねぎのマリネと、フルーツ。
で、ゆで卵ね。はい、どーぞ」
そう言って 3か所に
間仕切りされて空いていた部分に
みくりがゆで卵を置いて来る
「朝から贅沢だな」
「そう?仕事のある日は
確かにここまでは難しいかもだけどね?」
こんな風に コーヒーを飲みながら
ゆっくりとみくりの作った朝食を
新聞を読みながら食べる
「食べ終わったら、俺が
後はしておくから。
君は、出る準備をしてくれていいぞ?」
朝食が終わりかけた頃にそう
杏寿郎が声を掛けて来てくれて
出掛ける時とかはこう言ってくれるし