第62章 例えばこんな結婚式を 前編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
こちらに背中を向けてしまって居て
目に見えるバリアの様な物を
ひしひしと感じてしまうのだが
「ねぇ、杏寿郎~」
「俺は、寝てるからな」
「寝てる人は、寝てるって言わない」
そう言ってその布団の塊を
ゆさゆさとみくりが
揺すぶって こちらに注意を引こうとして来て
「寝てるって、言ってるだろう?
俺は、もう、寝てるから…な?」
「杏寿郎は、寝てるかも知れないけど
私が寝れないじゃんかっ。
まだ、おやすみなさいのキスしてないもん」
ガバッとその布団の塊が
起き上がると
グッと両肩を掴まれて
そのままベットに倒される
「杏寿郎?あの…、ね」
「ああ、分かってる。みくり。
おやすみなさいのキスだろう?
俺が、キスしないと眠れないんだろう?」
そのまま いつもなら
額にしてくれる おやすみなさいのキスを
すると言っているその顔も
その声も とてもおやすみなさいの
空気じゃないのは 気のせいだろうか?
額から始まったキスは
それこそ 全身に落とされてしまって
そのまま 当然の様にして
彼に抱かれてしまったのだが…
むぅっとみくりが口を尖らせて
不満そうな顔をしていたので
「し直すか?おやすみなさいのキス」
「んっ、杏寿郎…ッ」
そう言いながらも
重ねて来た唇は
まださっきの 余韻が残って居て
甘い甘い痺れが唇から生じる
「おやすみ…出来そうか?」
そうおやすみさせるつもりの無い様な
そんなキスをして来て置いて
旦那さんがそう問いかけて来て
身体を密着させているのだから
自分のお腹に 杏寿郎のが
当たってるのを感じて
「杏寿郎は…?その…、眠れるの?」
「君次第…じゃないのか?」
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そして 迎えた
2022年 6月23日
AM 6:30
朝起きて カレンダーを見て
気が付いたけども
今日 大安だったんだ
前日に用意していた
フレンチトーストを冷蔵庫から取り出して
冷凍庫からベーグルを取り出して
水を表面に軽く掛けて
レンジでチンをする
後はここまでして置けば
食べる前に焼けばいいだけだ
玉ねぎをスライスして
水に晒している間に
冷蔵庫からマリネソースを取り出す
トマトやアボカドは適当にカットして行く