第62章 例えばこんな結婚式を 前編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
そして翌日の22日は
どうと言う事も無く
一日が済んで
帰路に就いた
それにしても…だ
あの杏寿郎が勿体ぶってた割に
全部 昨日のアレが
ネタバラシなのだろうか?
案外あっさりに喋ったなと
思ってどうにも引っかかる
彼はまだ 何か私に隠してそうだ
明日になれば分かるのだろうか
それも 確かに前に
残りの結婚休暇は
この時に使うって言ってたけど
ホテルをわざわざに
変える必要性も分からない
確かにどのホテルも
この県では皆が知ってる様な
5つ星のホテルではあるけど
連泊した方がお得なんじゃないかな?
はぁっとため息を付いて
「今日の夕飯、何がいいかな?」
そう明日の事の前に
今夜の事が出て来て
私の脳内が今晩のご飯に
切り替わったのは言うまでも無い話だった
その時にバックの中で
LINEの通知音がして
みくりがスマートフォンを取り出すと
今日は明日の為に杏寿郎が
定時で帰宅していたらしく
お夕飯を用意してくれているという
LINEが杏寿郎から届いていて
「何か足りない物ある……?と」
その杏寿郎のLINEに対して
みくりがLINEをすると
俺の料理を食べてくれる
奥さんが要れば完璧だと
杏寿郎からの返事が来たので
いつもの駅からの帰り道も
足取りが軽くなって
杏寿郎のご飯だぁ~と思いつつ
家路を急いだ
「たっだいまぁ~」
「ああ、お帰り。みくり
手を洗って、着替えて来るといい」
「ねぇ、杏寿郎の今日のご飯は?」
「ん?今夜の夕飯か?
豚肉の生姜焼きと、ホウレンソウのお浸しに
後は、オクラと卵のスープだな」
「私のホウレンソウ…は?」
ははははと杏寿郎が笑って
「ああ、勿論だ、君の
ホウレンソウのお浸しは、茎多めだぞ?」
「やったぁ!じゃあ、手、
急いで洗って来るっ!」
杏寿郎がご飯作ってくれる日は
杏寿郎が定時で帰れる日だけだから
いつもよりも杏寿郎とゆっくり過ごせるし
ご飯も楽しみだけど
それだけで ご褒美みたいな気がする
バタバタと慌ただしく
洗面所に向かった
みくりの後姿を見送って
「ホウレンソウの茎で、
あそこまで喜べるのも、
みくりぐらいだろうな」
夕飯と片付けを済ませて
ソファで寛ぎながら
お湯張りが出来るまでの時間を過ごす