第62章 例えばこんな結婚式を 前編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
「いや、察した上で意味が分からないって
言ってるんだってば。私、関係なくない?」
「要するに…だ、うちが請け負う事に
なった、そのブライダル関連の
数件の広告制作の件をだな」
もうそれ以上は言わなくていいと
みくりが杏寿郎の話を
遮る様にして手を出すと
「その、プロジェクトの広告制作を
数件、うちの会社が請け負ってて。
その、撮影のモデルを全部しろって事?」
「元を正せば、
成瀬さんのアレの所為だがな。
それに、あの麻理恵先輩とやらの
妹の同級生なんだろう?君は。
得体の知れないモデルに着せるよりも、
当時の君の事も知ってるし。
同郷のよしみみたいな部分もあるだろうが…」
本人には言いにくい部分はあるが
あの中条市の結婚式場での撮影の時に
カメラ映えするなとは思ってたからな
商業の才能といい
無駄なカメラ映えといい
自分の才能を知らないとは
この事なのかも知れないが
「麻理恵先輩は昔から、そんな感じな
所あったけどさぁ?あの勢いで
何でも決めちゃうから。誰も
麻理恵先輩に意見出来ないんだよねぇ」
前に会社に来た時も
勢いのある人だとは感じたが
あの感じで 関係者を全部言いくるめて
自分のドレスはみくりにと
押し切ったんだろうなあの人…は
「だから、ホテルもそれに参加してるから。
プランにあるんだ。臨海地区で
結婚式をした夫婦向けの格安プランがな。
臨海地区の別のホテルで、結婚式を
していたとしても、臨海地区の別のホテルでの
宿泊がお得になるだけじゃなくて。
商業施設にあるレストラン、
カフェなんかでも割引やドリンクの
サービスを受けることが出来るんだ」
「そう言えば、古くからある
水族園の方も再開発の事業が
数年計画で進んでたよね?」
子供の頃から何度も行った
県内の水族園も老朽化が進んで
大がかりな改修工事を数年かけてするって
それに合わせた周囲の再開発事業も
市が取り組んでいたのが新聞に載ってた
「市の再開発、地域活性化の
事業のひとつでもあるな。と言う訳だから。
何度も、結婚式する事になりそうだぞ?」
「ねぇ、杏寿郎。それってさ
もう、予定、決まってたりするの?」
「来月は、船上ウェディングだな。
それと、臨海地区のロケーション
ウェディングも同時にする予定だ。
っと、言って置くが俺は断ったからな?」