第62章 例えばこんな結婚式を 前編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
「でも、昨日杏寿郎が、
しばらくしないって言ったのには驚いたけど」
「そうだな。しばらくは無理だしな。
だがそれも、仕方ないだろう?」
「数日は無理だもんね」
「数日?数か月だろう?」
目の前のみくりが驚いた様に
目を見開いて パチパチと瞬いて
「え?そんなに…だったの?」
しばらくしないとは言ってたけど
数日じゃなくって
数か月のつもりだったなんて
そんなつもりで言ったんじゃないのに
「体調が悪くて、早退したんだろう?
それに、どうしたんだ?
今日は、何かの祝いか?」
テーブルの上には
数種類のスパイスとカレー粉を
ブレンドして作る
特製のキーマカレーと
オムライスにカルパッチョサラダ
駅前のイタリアンのお店の
テイクアウトのピザに
前に一度食べてから
偶にお願いしている
キャベツの入ったハンバーグと
玉ねぎがたっぷり入った
中華風のコーンスープ
そこまでメニューを見て
気が付いた事があった
「うん、朝ね、何があったのって
聞かれちゃってさ。顔が死んでるってね。
んで、話したらね。今日は
早く帰って、杏寿郎が好きな物でも
沢山、作ってあげなさいってさ。
ホントはね、あれもね?
するつもりだったんだよ?」
「これだけ、あるのに
まだ何か作るつもりだったのか?」
「前に杏寿郎がしたいって
言ってたあれだよ?今は
無理だけど、終わったらする?」
その言葉と みくりの態度に
何か違和感を憶えて
妊娠4週目の頃と言うと
次の月経の予定日だ
この数日 腰が痛そうにしてたのも
やたらに眠そうにしてたのも
そうだ 俺は何を勘違いしてたのだろうか
勝手に早とちりしてしまって居たか
「なぁ、みくり、妊娠してたりとかは…」
そう杏寿郎が問いかけると
何を言ってるんだと言いたげな顔をして
「妊娠してる訳ないじゃんっ!
真逆だよ、真逆っ!!…ってもしかして、
私の調子が悪いのは、妊娠してるかも
って思ってたりしたの?それで
しばらく、しないって言ったの?
それで、レモンとグレープフルーツ?」
恥ずかしそうに杏寿郎が
自分の頬をポリポリと掻いて
「いや、俺とした事が…、
君にちゃんと話も聞かずに、
浮かれすぎていた様だ」
「何か、ごめんね?出来て無くて」
申し訳無そうにみくりが言って