第62章 例えばこんな結婚式を 前編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
ギュッと杏寿郎が
みくりの事を後ろから
抱きしめて来て
「えっと、焼きたてがいいし。
帰ってから焼こうと思ってたから
ピザ、今から、焼くね?」
「だったら、飲むか?ビール」
「うん、飲みたい。
あの、レイエスのグラス、出そうか?
ビールね、コンビニで見た事無いの
売ってたら、買ったんだ
美味しそうじゃない?
青い空と海のビールだって」
知ってる?とみくりが
冷蔵庫からコンビニで買ったと言う
見た事のないビールを出して来て
「ねぇ、ここにヴァイツェンって
書いてあるけど、どんなビールなの?」
「ヴァイツェンは、ドイツの
伝統的なビールの製法で作られたビールで。
その最大の特徴は、淡い色合いを
持つことから、白ビールとも呼ばれる
種類のビールだな。香りは
とりわけ、バナナの様なフルーティーな
香りと、ほとんど苦味のない味わいが
特徴だな…更に特徴を言えば」
杏寿郎は本当にビールが好きだな
杏寿郎にビールの話させといたら
ずーーーっとしてくれそうだもんな
「言えば…?」
「見ているといい」
そう言って レイエスのグラスに
その青い空と海のビールを注いで行く
薄い薄い淡い黄色のビールが注がれて
「ビールの色、濁ってる」
「普通のビールは大麦麦芽を使用するが、
ヴァイツェンには、小麦の麦芽を使用するんだ。
濾過をしてないから、こんな風に
濁りのある色味になる」
「そうなんだ、それでこんな色
してるんだ、このビール」
あっという間にグラスの中が
泡だらけになってしまっていて
「後、この、豊かでクリーミーな
泡立ちが特徴でもある。泡がいつまでも
ヘタレないのも、ヴァイツェンの持ち味だな」
みくりがそのグラスに
自分の鼻を近付けると
白ワインの様な香りの中に
バナナの様な香りを感じる
「うーん、結構酸味も
ありそうな、香りがする…。
フルーティーなんだけど、複雑だ…」
「そうか?俺にはバナナが
前面に来る感じの匂いがするけどな…」
グイっとその濁りのある
ビールをみくりが口に含むと
隣の杏寿郎が 不思議そうな顔をしていて
「甘い…な…、
ビールらしい味わいではないが。
女性向けな味だなこれは」
「確かに、基本は甘さなんだけど、
ちゃんと香りと酸味が立ってるし
複雑に絡む、味わいがあるよ?」