第62章 例えばこんな結婚式を 前編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
…って杏寿郎っ 何で居るの?
え?私 そんなに寝てたの
そう思って 壁の時計を見ると
ちょっとだけ横になるつもりが
もう 1時間半ほど
眠っていたのだと気が付いて
「って、戻ってたんだったら。
何で、起こしてくれなかったの?」
「いや、その、起こすのは
…気が引けてしまって…な。
たまたま、同僚が話してるのを
ちょっと…な、聞いてしまったんだ」
「それって、噂の事?」
「体調を崩す位なら、
先に、言ってくれても良かったんだぞ。
別に、断わってくれても…俺は気には…」
そこまで言って ハッとした所で
ここまで言ってしまったんだ
もう遅い…
「何度か…、断わってなかった…っけ?」
やんわりとした拒否と言うか
お断りだったから
押せば 許してくれるのかとか
許可して貰えるのかとかと
「その、杏寿郎さ」
「その、すまなかった。
反省してる。浮かれすぎてたんだと思う」
「1回って言った」
「ああ、言った。言ってたな」
むぅとみくりが口を尖らせて
「朝は、…ダメって…、
ずっと、言ってるのにッ。
遅刻ギリギリの時だってあったし!
お化粧だって、ちゃんと出来ない時とかっ。
それに、朝ご飯だって…ッ」
「そうだな、朝に一緒に食事をする
時間も無くしてしまってたな…。
君が、そう言うのも仕方ない。
俺が、悪いからな、全部。
反省するし、その、自粛するから」
自粛??
そうするのを 自粛するって事?
「何も、その行為をするだけが。
夫婦と言う訳でもないんだ。
そうしないで君と過ごす、
時間も大事にしなくては…な」
物凄い 変な顔をして
みくりが俺を見て来て
そこまで 俺がそう言うのが
信じられないとでも言いたげだ
「体調の事も気になるし、
今夜は俺が片付けをするから。
先に風呂に入って、休んでくれ」
体調が悪いという程でもないし
今ままで寝てたから
疲れ気味って程度だったのに
そう言われてしまって
「え?ええっ?でも…ッ」
「君の体調の方が、大事だからな。
食事は食べれそうか?食欲はあるか?」
「病気じゃないんだよ?もう
休んだから、大丈夫だよ?」
そう彼に訴えてみたのだが
彼の反省が思いの外
私の想像よりも深くて
「しばらくの間、しないつもりだ」
え?しないの?