第62章 例えばこんな結婚式を 前編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
「困ってないよね?」
「だって、私じゃありませんから」
がっくりとみくりが項垂れて
また無意識に腰をさすっていた
「まぁ、そうだよね」
そのまま ランチを終えて
しのぶと会社に戻ると
自動販売機の辺りに
杏寿郎の姿が見えて
「ほら、あんな感じなんですよ?」
紙コップのコーヒーを片手に
若い女子社員3人と談笑してる
杏寿郎の姿が見えて
今まで 杏寿郎とは
同じ部署になった事無かったし
大学時代も専攻が違ってたから
講義もそこまで一緒にならなかったから
いつも あんな感じなのか
「いいんですか?」
「話してるだけ…で、そんな」
「でも、煉獄さんにその気が無くても
今の若い子は案外、女の子が
アグレッシブだったりしますからね?
結婚したからって、安心してたら
煉獄さん、若い子に
攫われちゃうかも知れませんよ?」
その日の仕事を終えて
杏寿郎が帰宅すると
ダイニングのテーブルの上には
夕食の用意がしてあったが
これを用意したはずの
みくりの姿が無くて
いつもなら 玄関を開ける音で
出迎えてくれるのに…
「…んっ…」
声が聞こえて ソファを覗き込むと
ソファで寝息を立てて
眠っているみくりの姿があった
珍しいな… こんな時間に
うたた寝してる姿なんて
見るのは初めてかも知れない
「杏…ッ寿郎…、んっ、
朝は…すぅ、許してッ、遅刻し…ちゃう」
その寝言で
この 初めて見る みくりの
うたた寝の原因が俺だと気が付いて
一瞬で 深く反省をしたのだが
毎日するなら 1回だって
そう言われていたのに
最初の方こそ それは守っていたが
それがその内 2回になっていて
その上 朝にも 求める様に…なって居たから
こうなってしまうのも当然…か
食事の用意だけして
眠ってしまっていた様で
キッチンの片付けは出来てないままだったので
お詫びの意味を込めて
その散らかったままのキッチンを片付けた
そうだ…キッチンの片付け
しなくちゃ…ちょっと休憩って思ったら
寝ちゃってた…や
「杏寿郎が…、帰る前に片付け…」
そう言いながら
みくりが気怠い身体を起こすと
キッチンに杏寿郎が居て
洗い物をしていたのが見えて
「ああ。みくり。
目が醒めたのか?」