第62章 例えばこんな結婚式を 前編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
「あの時の、
火傷の痕は大丈夫ですか?」
その言葉を聞いて
ハッとしてしのぶの顔を見ると
困った様なそんな笑顔で
その姿に 蝶の羽を思わせる
羽織を着た 姿が重なる
「火傷は、した事がありませんし。
この身体には、何もありませんので」
そう年齢も下であるハズの
しのぶに対して答えてから
「そうですか、
それを聞いて安心しました。
温泉やプールにもお誘いしたのに
いつもお断りされていたので、
強引な確かめ方をしてしまいました」
そう言えばしのぶから
何かにつけて 肌を晒す様な
場所にずっと誘わるから
どう接したらいいのかと
迷っていた時期があって
「それに、今は、私は柱でも何でも
ありませんから。しのぶで結構ですよ?
みくりさん、結婚式、楽しみですね」
そうしのぶから持ち掛けられて
「ああ、しのぶちゃんは
杏寿郎っと、うちの主人と
同じ部署だったよね?」
「ええ。そうです。でも
結婚したからと言って、煉獄さんは
部署内でも人気がありますし。
若い女の子達の間では、不倫でもいいと
そう言う声も聞きますが…」
「しのぶちゃん、ランチ一緒に
そして、詳しく、その辺りを!」
ニコニコとしのぶが笑って
自分の顔の前で両手を合わせると
「はい、勿論。
喜んでご一緒致しましょう。
何せ、みくりさんからの
ランチのお誘いですから」
丁度 ランチの時間だったから
食堂へ向かう途中だったんだ
「社員食堂でいい?それとも外出る?」
「では、ベルデに致しましょう」
そう言って会社のすぐ近くの
ベルデと言うカフェに向かった
ランチのメニューから
それぞれの食べたい物を注文すると
「でも、良かったです」
そうしみじみとしのぶが
漏らす様にして言って
「良かった?」
「煉獄さんは、ちゃんと
みくりさんとご結婚なされたんですから。
でも、煉獄さんもみくりさんも
憶えておいででは無い様ですし、
私の独り言だと、聞き流して下さい」
しのぶの言葉にみくりが首を振った
「一部の断片的な記憶ならあります。
時々、思い出します。
何かをきっかけにして。
炎柱…と呼ばれていた彼の棺に
白い菊を入れたのを憶えて居ます」
「煉獄さんは、
貴方にその後をお聞きに?」
その後と言うと…
彼が死んだ後の事…?