第61章 呼びたい男と呼ばない女 お相手:宇髄天元 現パロ
そう 宇髄が問いかけて来て
デートかこんな感じとかって
一体
「俺さ、特定の彼女とかってさ
ホラ、居た事なかったじゃん?
だからさ、デートってやつをね?
ちゃんと、した事ねぇんだわ。
変じゃない?合ってる?」
ワイングラスで
レモンのスライスが入って
提供されている 水を
ゴクッと
みくりが一口飲むと
「とても、スマートなデートかと…」
「そ、なら、良かった」
あれだけ 派手な女性関係があって
常に3人でするのが デフォルトみたいな
百戦錬磨の プレイボーイが
何を言ってるんだか…と言いたくもなるが
特定の相手は作らないって話は
毎度毎度に ピロートークで聞いてたから
そう言った 相手が居ないのは
知っていたけど
でも それを何度も言ってた理由が
そんな相手を作らないって
宣言してるんじゃなくって
そんな風になって欲しいの方だったとか
全然… 気が付かなかったし…な
器用そうに見えて
実は不器用な人…なのかも知れない
「展望台から、見る夜景もいいけど
こうして、ゆっくり、美味い物
食いながら見る夜景だったら。
みくりも、楽しめそ?」
「毎週毎週の様に夜景ばっかり見てたら、
考え方も変わりますってば。
まぁ、こんな綺麗な夜景見ながら
ディナーを頂けるのは、悪く無いですけど」
ふと思った事があって
もしかすると 彼は
尽くされるよりも 尽くしたい…のだろうか?
追われるよりも 追いたそうだし
「じゃあ、さ、今度はさ
海側の夜景…、押さえとくから」
メディアに取り上げられるのは
山側の夜景だけど
海側の夜景も 臨海地区は有名で
でも 海からの夜景は
今まで 観に行った事が無くて
「それは、特別…です…か?」
「今も、特別じゃね?」
そうだった ふたりで観た事ないって
宇髄さんは言ってたんだった
「綺麗」
「ええ、綺麗ですね。夜景」
「綺麗…、ずっと見てられそ」
「窓、あっち…ですよ?」
「赤くなってる」
「ああ。水無瀬大橋の
ライトアップですか?
1時間毎に色が変わりますもんね」
「0分からと、30分からは
レインボーと宝石バージョンに
ライトアップされるって知ってた?」
見てて?と言われて
そうか 時間 もうすぐ20時だった