第61章 呼びたい男と呼ばない女 お相手:宇髄天元 現パロ
え?そうなんだ…知らなかった
「知らなかったって顔、それ?」
「え、ええ。毎時間毎に
虹色になるのは、知ってたんですけど」
「じゃあさ、その虹色になる
パターンもさ、3つあるって知ってた?」
何それ?と言いたげな顔を
目の前のみくりがしていて
「し、知りません…でした」
「17時、18時、19時のパターンと、
20時、21時のパターン、22時と23時の
それぞれに違う、虹のライトアップの
パターンがあっし。今度、全部見ちゃう?」
え?全部?全部のパターンを観ようと思えば
19時から22時まで
ずっと一時間毎に橋を見るって事?
流石にそんな長時間
気長に橋を見続けられる様な
私はタイプではないし
「ちょっと、遠いんだけどさ。
見えるんだわ。俺のあの部屋からさ」
そうか 橋…見えるんだ
「ここから見るより、良く見えるけど?」
「確かに、天元さんのお部屋からなら
高台にありますし、ここからよりも
橋が良く見えそうですもんね」
「いつにする?俺んちから
会社、行ってもいいじゃん?」
えっと それって 週末にじゃなくて
仕事済んでから 平日にって事?
「えええっ?平日にですか?」
「何?週末にしか会ってくんねぇの?」
た 確かに 週末にしか
デートはしません 会いませんって
言うのも変だ… 仕事の帰りに
レイトショー観に行ったりとかだって
恋人同士なら普通だ
でも それは大丈夫…なのだろうか?
その次の日に仕事にちゃんと…
行けるのだろうかとかそんな心配を
ついついしてしまう
「ホラ、ライトアップ見ねぇの?」
そんな事を話している内に
水無瀬大橋のライトアップが
始まっていて
そのライトアップを眺めていると
「…ーーーっ!?」
スルッと自分の腰に手を回されてしまって
思わず 小さく声を漏らしてしまった
「これ、見終わって、
飯済んだら…出る?」
そう 宇髄が耳元で囁いて来て
その彼からの問い掛けに対して
みくりは小さく頷いた
正直…まだ食事は途中だったんだけど
その後に食べた料理の味は
今一つ憶えて居ない
こっそりと彼が 私の耳元でして来る
性的な含みのある囁きと
カウンターの下でこっそりと
人目を偲んで して来る
少し 際どい スキンシップの所為で
彼を意識させられてしまう