第61章 呼びたい男と呼ばない女 お相手:宇髄天元 現パロ
「ツーリングに行きたいなぁって、
天元さん、バイク似合いそうですもん」
宇髄がこちらを指差して
そのまま固まっていて
「え?バイク女子…だったりすんの?」
「姉に誘われて、断われず。
免許を取ったのと、姉が新しいのを
買っては、人に押し付ける様にして、
売りつけて来るので今はニンジャの
250です。姉のお古ばっかりですけど」
宇髄が視線を落として
何かを考え込んでいる様だった
「俺がさ、バイク、乗れる様になったら。
ツーリング、してくんね?水無瀬島とか」
「水無瀬島一周ですね!!
水無瀬島はツーリング向きですもんね。
慌てません、来年とかでも再来年でも」
「そ、あんがと。そろそろ行く?
話してる間にいい時間になって来たし、
そろそろ、移動してる内に日も落ちそうだし」
そう言って ツーリングとバイクの
話になりそうだったのを
宇髄が戻して来て
ああ そうだった 忘れてた
展望デッキを後にして
再び宇髄の車に乗り込んだ
「シートベルト、OK?
走りだしても、大丈夫そう?」
「え、ええ。締めました」
その日高山の展望台から
車で15分程 山を登って
さっきの展望台よりも高い場所にある
山に昔からある 他の展望台よりも
新しく出来た
アートと融合した 展望エリアで
大きなハチの巣の様なドーム状の
カゲヤマシンキのアート作品が
メインのモニュメントとなっている
「これも、影山のやつね、
市内のあちこちにあるんだけどもね。
アイツ、地元には作品落とすから」
「あれの中って有料でしたよね?」
「市民なら、100円だけど?
中から、見る?中からも
計算してある、アート作品だけど」
その ワイヤーのハニカム構造が
幾重にも重なっているのだと
遠目から見ても気が付かないが
近くからなら気が付く
中から見て 気が付いたけど
これ 窓みたいになってる
所々に 抜けた 穴の開いた様な
そんな構造になっているが
その窓の様な 穴の先に
市内の有名なスポットが望める様になって居る
ランドマークの港のタワーに
動物園に植物園 科学館に水族館
それから 水無瀬島に掛かる 水無瀬大橋
「ここには、影山の
地元愛が詰まってる訳なんだわ」
「同じ市の出身なので、
喜ばしく、感じます…素敵ですね」