第61章 呼びたい男と呼ばない女 お相手:宇髄天元 現パロ
キラキラと宝石の様な
ビジューが散りばめられた
プレートがオルゴールの音色に合わせて
自動で回転をして行く
遊園地のメリーゴーランドに
乗って周囲の景色を見てるみたいな
どこか おとぎ話の世界に
紛れ込んでいるかの様に
目まぐるしく色彩を変えて行く
その小さな世界の虜になる
「あのっ、宇髄さんっ」
「何?そんな声出して」
みくりが 展示されている
大小様々な ゆうに50は
あるだろう 万華鏡を指差して
「端から、順番に制覇してもいいですか?」
「いいよ。別に時間あっからさ。
俺も、あっちから、見るわ。
んで、後でお気に入りトップ3を
お互いに発表するのはどう?」
そのまま しばらく
お互いに思い思いに時間を過ごしていると
「これ、同じなんですよね?」
その辺の雑貨屋で良く扱っている
細長い棒の中にスパンコールや
ビーズがオイルに入った
オイルワンドのタイプの
カレイドスコープが
安価なのもあって 大量に
同じテーブルに並んでるが
小さい物 大きい物
太い棒の物 長い棒の物
「同じと言えば同じ、
オイルワンドスコープ。
でも、こっちが安物で、
こっちがいいやつね。
大体、カレイドスコープって
一点ものだからさ、作家の作品だったら
4~5万くらいだし。誰のって言うのに
拘らなかったら、安くでも買える」
そのいいヤツと安物と言われて
外見は同じ様な感じの
その二つを見比べると
どっちも綺麗だけど
映像の透明感とか密度が全然違う
「お帰り。どうだった?」
「全然…、違いました」
「オイルワンドのやつをさ。
立てて見るとさ、宇宙みたいじゃね?」
そのオイルワンドのワンドになってる
部分が縦になる様にして覗くと
色々な色合いが
目まぐるしい速度で変化する
その動きが目で追えない
流れる色の世界は流星群の様だ
宇宙と表すのが近い気がする
「宇宙ぽいです、確かに」
ここに来ると 時間を忘れると
言っていた言葉の意味を
これを見ていると納得させられてしまう
「奥、深いでしょ?万華鏡の世界。
京都にもさ、あるらしいのよ。
万華鏡ミュージアム」
「あるんですか?京都にも」
「ここのさ、メインでも見に行く?」
思わず持っていた万華鏡を
宇髄の言葉に落としそうになって
慌ててそれを持ち直した