第61章 呼びたい男と呼ばない女 お相手:宇髄天元 現パロ
「ええ?メインって。
入口入ってすぐのあそこでも
ここに展示されている万華鏡でも
ないんですか??」
「そ、入口のアレよりも
もっと凄いやつ、あるんだわ。
ま。そっちは有料なんだけどもね?」
そう言って そのメインを
見に行こうと誘われて
更にミュージアムの奥へと進むと
建物の裏手出口から外へ出てしまって
「外に出ちゃいましたけど?」
「うん、そうね、外ね。
後から増設してるから、
独立した建物ね」
その建物を見上げると
360度 3Dシアターと書いてあって
呼び鈴が入口にあって
その呼び鈴を鳴らすと
入口で対応してくれた
おじさんがこっちに来て
シアターの料金である
一人 500円を支払った
てか 入館料と同じ値段なのか…コレ
薄暗い建物の中には居ると
立体眼鏡を渡されて
席に着いてから 掛ける様にと
そのおじさんに説明を受けて
シアターの内部に入ると
大きさは20人ほどが入る
円形の周囲 360度が
スクリーンになっているシアターで
回転する丸イスが 座席になっていた
映画の3Dのは 観た事は
何度かあるけど 途中から酔った
みたいになるから 目も疲れるし
あんまりいい印象がないんだけども
「3Dの映画とか、観た事あるでしょ?
それと、同じ。ただここで見れる物が
違うってだけ」
ミュージアムの中には
私達しか居なかったので
当然に このシアターの内部も
ふたりだけの貸し切りで
真ん中に座る?と
聞いて来た宇髄に並んで
中央の席に座って眼鏡を掛けた
ほどなく 薄暗かった内部が
真っ暗になって上映が始まったのだが
日本の四季をテーマにした
万華鏡の映像の上映で
一面の桜並木に 囲まれたと思ったら
その桜並木が 風に舞って
桜吹雪になって行く
その風に舞う 花びらが
自分の目の前を… ヒラヒラと
舞い散る様に 思わず息を飲んだ
その景色が ピンク色の万華鏡の映像に変わって
そのピンク色の一面の万華鏡の映像が
少しずつ 色を変えて行くと
ハラハラと端から 崩れて行って
その 崩れた破片が ひらひらと
舞飛ぶ 蝶の姿になる
数百匹の 蝶が 舞い狂う
その中で 周囲の蝶とは
明らかに違う 1匹の蝶が
画面の中央からこちらに飛んで来て