第61章 呼びたい男と呼ばない女 お相手:宇髄天元 現パロ
「あっちからは、クマしか見えないし。
俺には、みくりしか見えないし。
みくりにも、俺しか見えないから」
そう言われて 右の頬に
ふわふわとした クマのぬいぐるみ
からのキスの感触を味わいながら
顔を近付けられて
キスの予感を感じて
自分の瞼を閉じると
そっと まるで
キスをするのは初めてかの様な
そんな感触を感じていて
グイっと顎を引かれて
顔を上に強制的に向かされると
そのまま 唇にしゃぶりつく様な
熱の込もったキスをされてしまって
「…んっ…ん、…んッ」
思わず 小さく声が漏れてしまって
ぎゅっと彼の服を掴むと
ちゅうっと その名残を惜しみつつ
唇が離れて行く感じを感じて
もっと そうしてたかったなって
こんな所でキスして置いて
そんな事を考えてしまって居て
「もっと、キスしてたかったって
顔してるけど?」
「しっ、してない、してませんっ」
「嘘。じゃあ、そう思ってたのは
俺だけ…って事?みくり。
キス、してもい?もっかい」
宇髄のその問いに
言葉での返事の代りに
小さく首を縦に振ると
再び 唇が重なって
そのまま ヌルっと
彼の舌が押し入って来て
ビクッと思わず身体が跳ねた
流石に ここでそれはマズいのではと
彼の身体を押し返そうとするも
押し返そうとした手の手首を
宇髄の手に掴まれてしまって
そのまま そのキスを受け入れさせられる
「んっ、ダメ…ッ、ここじゃ…ッ」
スッと彼がキスを止めて
こっちの顔を覗き込んで来ると
「じゃあさ、ここじゃなかったら
もっと、キスしてもいいって事?」
「…天元さんが…、そうしたいんだったら」
「だったらさ。それ以上の事も?
俺としてはさ、してぇと思ってるだわ。
みくりはさ、俺とそうしたい?」
キスがもっとしたいかと
そう問いかけた後に
その先の事もしたいのかと
そう問いかけられてしまって
今までは 彼のその問いに
したいと 返した事は一度も無くて
今までの そうしたいの問いかけと
今のそうしたいの 問いかけは
昨日の夜の物とは
全く別の意味でしか無くて
ギュッと宇髄の服を握りしめると
「その、…そうし、たい…です」
「ん。そう、わかった」
ギュッとクマのぬいぐるみ毎
抱きしめられて 包み込まれる