第61章 呼びたい男と呼ばない女 お相手:宇髄天元 現パロ
「あんさぁ、
こう言うの好きだったりする?」
そうばつが悪そうに
宇髄がみくりに問いかけて来て
「嫌いそうに見えましたか?」
「そうは、見えなかったから
聞いてんだわ。もしの話、
俺がだよ?アートアクアリウムに
行かない?って誘ったら来る?」
「いいんですか?行きたいです」
返って来たのは
いつも 呼んだら来る…かの
みくりと同じ人が
返してるのかと疑いたくなる程に
期待に満ちた様な返事で
「じゃあさ、俺がさ、
チームラボの屋外のさ、前に
東寺でしてたやつみたいのにさ。
行こうって誘ったらさ、来る訳?」
「チームラボっ!いつも
何か楽しそうなデジタルアートを
している所ですね。あの東寺のは
行ってみたかったです。コロナが無ければ」
「じゃあ、ちょっと
このまま俺に、付き合ってくんね?」
付き合ってほしい場所があると
そう宇髄が言って来て
何処に行くのだろうかと
そう思いながら
海沿いにずっと続いている
整えられた プロムナードを歩くと
鳩の姿に混じって
ボラードの上には カモメの姿も見える
海風に髪を乱されて
乱れた髪をみくりが手で直す
さっき アンブレラアーチをくぐった
商業施設の 対岸の方へと移動する
と言っても距離的には1駅分ぐらいだが
この辺りの一帯は
埋め立てて造られた 商業地で
港巡りの船も運行しているし
時折大きな客船が停泊もする
タイミングが良ければ
その商業施設の所に
豪華客船である飛鳥Ⅱ号を見る事が出来る
「見た事ある?豪華客船」
「ダイアモンドプリセスみたいなのですか?
テレビでなら、数百万の船旅の
特集見たことありますよ。
ブランドショップがあって、レストランも
沢山あって。プールやジップラインがあったり」
「たんまに、
船内見学会もしてるらしいけど?
定年したらさ、豪華客船で派手に豪遊して。
世界一周してみてぇなぁとかって」
「あはははっ、宇髄さんらしい
将来の夢ですね、だったら
その分、しっかりと貯蓄しないとです」
そんな話をしている間に
プロムナードが煉瓦から
エリアが切り替わって
木製の遊歩道が続いて行く
「この辺りは、小さいギャラリーとか
ミュージアムが多いエリアでしたよね?」
「ハーバーアートストリートつーの」