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ひみつのひめごと【鬼滅の刃/R18】

第61章 呼びたい男と呼ばない女 お相手:宇髄天元 現パロ



博之のアパートに着いた途端に
縋る様にして彼に抱きつくと

そのまま 自分の行き場のない心を
埋めるように彼にキスをしようとした

「ダメ、キスするんじゃないから」

そう博之が言って 自分の口を
守る様にして手で塞ぐと

「そこ、座りなさい」

と 自分の前の床を指差して

そう言われて フローリングの床に
正座をして座らされてしまった

これではまるで

朝帰りを父親に責められる
未成年の娘か何かの様だ

「思ってたんだけどさ。
あの時からずーーーっとさ、
みくりちゃんはさ、あの人の事さ
好きだったでしょ?何で付き合ってないの?」


博之は変わってる感じで
草食系??と言う人だった

しばらく 付き合って居たが

一向にそうする気配も無かった

友達の延長みたいな感じだった
居心地が良かった

そう言う事はしてなかったから

付き合ってると言って良いのか謎だった


「好きって言いなよって言ったよね?」

「言われました」

「言ったの?」

ふるふるとみくりが首を横に振った

「今のままでいいって思ってるの?」

「でも。私は只の…」


正座をしている私の視線に
博之が視線をしゃがみ込んで合わせて来て

じっと顔を覗き込んで来る


「大勢の中の一人だから?」

「どうせ。そうだよ…」


「でも、そう、みくりちゃんが
思ってる事も、知らないかもよ?
みくりちゃんはさ、大事に
思いすぎると、言えなくなっちゃうもんね」

そう言いながら いい子いい子と
その手が私の頭を撫でて来る

「会いたいくらい、
言ってもいいんじゃない?違う?」

そう こっちに問いかけて来る
博之の声は優しい

「言った事…、ない」

「なら、言ってみたら?
今日、土曜日でしょ?会えるじゃん。
でも、その顔じゃデートも出来ないから。
はい、ここ、寝る。始発まで寝る」

そう言って 手早く
来客用の布団を広げてくれて

ポンポンと叩かれて

その中に言われるままに
その布団に潜り込むと

上からトントンと身体を叩かれて
寝かしつけられようとしていて

「博之…、おかあさん…みたい」

博之の事は 男性としてみれなくて
別れちゃったけど

「何とでも言って。寝た寝た。
んで、寝て起きたら、会いたいって
ちゃんと言う、いいね?」

「うん…、そうする」

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