第60章 2人のハネムーンは… 後編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
3泊4日の新婚旅行で
このヴィラで 杏寿郎と過ごすのも
今日で終わりなんだなぁってそう思うと
途端に寂しくも感じてしまって
「何だ?帰りたくないとでも
可愛らしい事を、言ってくれるのか?
そのまま、土日も休みだから、
もう、1泊出来なくもないけどな」
と杏寿郎が言って来て
「もう、杏寿郎ったら。
そんな冗談言ってぇ。ここ
結構高いんでしょ?杏寿郎が
言ったら、冗談にも聞こえないけどね。
待ってて、ビールあのままじゃ
可哀想だから、取って来るから」
そう言って みくりが
ベットから身体を起こして
プールサイドに放置されていた
ビールを持って戻って来ると
杏寿郎がデイベットの上にある
バラの花を手に持っていて
ああ そう言えば
バラの花 デイベットの上にもあったなと
そんな事を思いながら
杏寿郎の手のバラを見ていると
杏寿郎が 悩まし気な視線を
こちらに向けて来て
その色っぽい視線にドキッと胸が跳ねてしまった
「連泊すると、割引もあるぞ?」
って もしかして…ッ
新婚旅行 延長するって事?
「えっ?杏寿郎、それっ…本気で言ってる?」
「それに、あの島でも
まだ、遊び足りないしな。
明日の予報は晴天だから、
今日はここで、ゆっくり過ごそう」
そう言いながら 持っていた
バラの花びらを外して
真っ白なシーツの上に
その真っ赤な花びらを
ばら撒いて広げると
真っ白な世界が
赤い 真っ赤な
彼の世界に変わって
終わりが見えてしまっていた
新婚旅行が まだ終わらない
そんな 予感を感じてしまっていて
「俺も、帰りたくない…気分だったからな」
新婚旅行が終わって
アパートに戻ったって
2人だけなのに
ここに まだ ふたりきりで居たいって
彼も 私も思って居たから
「みくり、そのぬるい
ビール、で乾杯でもするか?」
ビールの瓶を持って
チンと口を合わせると
放置し過ぎて
飲み頃の温度なんてとっくに過ぎた
ぬるいビールを流し込む様に飲んで
そのまま キスを交わす
「お似合い…かもね?」
「何の話だ?」
「ビール、ぬるいね」
「ああ、不味いな」
そう言いながら
杏寿郎が瓶に口を付けて
ゴクゴクと
喉を鳴らしてビールを飲むと
「だが、悪く無い」