第60章 2人のハネムーンは… 後編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
フッと杏寿郎が口の端を曲げる
「もう、俺の色にわざわざ
染める必要もない…、とでも
言いたげだな。みくり。
なら、みくり、確かめてみても?」
「確かめる…って?」
スルッと杏寿郎の手が
髪を纏めていたヘアクリップに掛かって
纏めていた髪を開放されると
その髪を一房 彼が手に取って
その手の中の髪に口付ける
「君の身体の、隅々まで…。
君が、俺の色に染まっているかどうかだが?」
もう 何度も彼と身体を重ねてる
この身体に彼の触れてない場所なんて無くて
彼に口付けられてない場所もない
「杏寿郎…、わざわざそんな事
しなくても、もう…どこも…ないんじゃ」
「ならもっと、色濃く俺の色に
君の全てを染め上げるまでだろう?
プールは後にしよう。
折角の下着が濡れるからな。
おいで。みくり、運んであげよう」
おいでと呼ばれて
彼の首に腕を回して
自分の身体を預けると
軽々と持ち上げられてしまって
そのまま 中庭にある
ガラス張りの休憩エリアに
運ばれて行ってしまって
デイベットの上に降ろされた
プールの時は気が付かなったけど
デイベットの上にも
大輪の真っ赤なバラが3輪置かれていて
ラタンチェアの様なカゴ編みになった
円形のデイベットには
同じ素材で出来た 屋根の様な物がついて居て
二枚貝の貝殻の様になっている
「このカゴみたいな屋根なんだけどな。
閉められるって知ってたか?」
荒い 目の編み方だから
閉めたからと言って 真っ暗には
なったりはしないのだろうけども
その網目になった 蓋の部分を閉めると
自分達はその中に閉じ込められて
丸い最中の餡子の気分にでもなれそうだが
「閉めてみるか?」
杏寿郎がその蓋の半球になったカゴを閉めると
ベットの部分に 網目状の影が落ちて来て
「閉めたからってどうって事もないんだがな」
ううん とみくりが首を左右に振って
「ねぇ、杏寿郎、このヴィラってさ
ハネムーン向け…だよね?
このデイベットを選んだ人が、
知っていて選んだのかは分からないけど…。
こうして、網目になった世界から
外を見て気が付いた事があるの」
「気が付いた…事?」
「杏寿郎はさ…、ドウケツエビって
エビの事、知ってる?」
ドウケツエビと言う
エビを知っているかと聞いて来て