第60章 2人のハネムーンは… 後編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
素直だと 言われてしまって
疑問に思って居ると
彼の指先が 耳の形を
輪郭を辿りながらなぞって行って
ぴくッと小さく身体が跳ねる
「…んっ」
「ほら。素直だろう?」
耳をなぞって降りた指先が
耳たぶを弄びながら
その付け根に降りて来て
そのまま 首をなぞりながら
後頭部に髪を掻き分けながら進んで来る
髪を撫でつつ
後頭部に差し込まれた指が
ゆっくりと項を撫でおろして来て
「ん、ゃ…っ、ん」
グイグイと項の辺りの
首の後ろの骨の辺りを押して来るから
ゾクゾクと首筋に 甘い痺れが起こって
「みくり、君には。
良くも悪くも、嘘が全くないからな。
微妙な時は、微妙な顔してるし、
いい時は、いい反応が返って来る」
あれ? おかしいなって…
何となく気が付いてしまった
「ね、ねぇ?杏寿郎…
それは、ベッドでって…言ってなかった?」
私のそっちの方を褒めるのは
夜にベッドでと言っていた気がするけど
どうにも 私の耳には
既にそれが 始まっている気がして
仕方ないのは 気のせいなのだろうか?
「けど、誰も居ないだろう?」
「んっ、でも…誰か来るかも…っ
その、知れないし?んんっ、やっ」
「さっきから、それなりに
ここに居るが、誰も来そうにも無いがな?」
ここに誰かが来ると言うよりも
この辺り一帯に人が居なさそうだ
それぐらいに 真っ暗で
聞こえるのは 波の音だけで
遠くに車が通る そんな気配すらない
「みくり、
キスだけなら、いいか?」
キスだけ は彼の常套句だ
そっと 触れる様なキスを
額に落とされて
指先が 唇に触れて来る
キス したい場所は
こっちだって その指先が言ってるのに
ちゅ…ぅと
額から瞼 こめかみへと
触れるだけのキスをしながら
指先が唇の形をなぞって行く
グイグイと唇に親指の腹を押し当てられて
圧を掛けられて居ると
「ここにも、…してもいいか?」
そう お伺いを立てられてしまって
「キス…だけ…、だよね?」
そう 恐る恐るに
みくりが確かめる様に
念を押す様にして尋ねて来るから
思わず ゾクゾクと自分の背筋が
震えるようなそんな感覚を憶えて
「キスだけ…、だな?みくり」
その問いかけに対して
彼女が首を縦に振るのを確認する