第60章 2人のハネムーンは… 後編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
そう みくりが
隣の杏寿郎に問いかけて来て
幾ら 砂を払ったからって
車のシートに砂上がっちゃうのに…なって
「こんな時間が楽しめるのも、
他の誰とでもない、君と…
だからなんだろうな…」
「何それ?それって、
私と結婚して良かったって意味でいい?」
はははと杏寿郎が
みくりの言葉に笑って
そのまま ギュッと
肩を抱かれてしまって
身体に身体をピッタリと引っ付けられて
寄り添う形になる
「みくり、ありがとう」
「杏寿郎?」
「俺を選んでくれて。
他にも、居たんじゃないのか?
そうなりたいって、思って居た相手が」
「それは、今は…ッ」
「そうだな、言わなくていい事かもな。
だが、礼を言いたくてな。君に。
俺を選んでくれて、ありがとうを言いたい」
杏寿郎が 誰の事を言っているのかは
私にも分かってるけど
「でも、いいじゃん。今は
私はここにいて、杏寿郎の
奥さんしてるんだからさ。
それを言うんだったら、杏寿郎だって」
彼の過去の女性遍歴の
全てを把握してる訳じゃないが
私と付き合う前に付き合ってた相手なら
知ってるには 知ってるけど
あんまり 長く続いた相手が居た様に
聞いた事は無かったけど
「あんまり続かないんだって、
前に言ってなかったっけ??」
付き合い始めの事に
誰とも長く続かないと
そんな事を漏らしてたのを思い出して
「知りたいか?理由」
「…うーん、なんとなぁーくに、
ちょっと、想像ついちゃったけど」
多分 彼の歴代の彼女達は
総じて 彼のそっちの方の
有り余る体力に
付いて行けなかった…??って事かな?
回数的な問題とか
時間的な問題とか
頻度的な問題とか
「何か妥協をすると、お互いに
不満が残こりがちだしな。
そうなると、自然に気持ちも離れる」
そう 杏寿郎が
しみじみとしながら言って来て
「う、うん…?」
そう ついつい
曖昧な返事を返してしまって
「そっちも、お互いが満足して
満たされてるからこそ、
その物も楽しめる物だろう?
何かしらの不満や不安を抱えていては、
到底、楽しめたもんでもないだろう?」
「…??どう言うこと??」
杏寿郎が耳元に口を寄せて来て
ふぅっと熱い吐息が掛かる
「その辺、君は俺のする事に素直だろう?」