第60章 2人のハネムーンは… 後編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
ご主人らしき人がそう声を掛けて来て
奥さんが ご主人に戻る様に伝えると
板の間になった ちゃぶ台のある
小さな個室に案内される
おじゃみをそのまま
大きくしたような
座布団が置いてあって
「きゃあぁっ!可愛いっ
おじゃみ座布団だ~、可愛い~。
座るの勿体ないね、可愛いっ」
いたく その座布団が
みくりはお気に召したらしく
猫以上に褒めていたのは
気のせいでもないだろうが
「高さもあるから、
クッションよりもしっかりしてるし
座布団よりも安定感があるね」
座るのが勿体ないといいつつ
ちゃっかりと座るのかと
思いつつも 敢えて言わないが
夕食はオススメの島のご馳走コースで
あっちにお任せする事にしたので
(宇梶メモにそのコースが
オススメだと書いてあったので)
後は ここで大人しく座って
コースが運ばれてくるのを待つだけだ
「創作料理かぁ、
どんな感じなのかな?」
「宇梶さんのオススメだからな、
期待してもいいんじゃないのか?」
美味しい物を少しずつ が
このお店のコンセプトらしく
地元の海の幸と
野菜に拘った
目にも美味しい 料理の数々が
次々に運ばれてくる
アレルギーの確認はされたが
テーブルにはお品書きはなく
目の前に配膳されるまで
次が何か分からない
サクラマスのサラダに
桜鯛の卵の煮つけ
漆塗りの匙に盛り付けられた
島の特産の赤ウニはお塩で頂く
鯛そうめん
鯛のアラ煮
島野菜のグリル
同じ料理なのに
私の分と杏寿郎の分と
皿の大きさは近いけど
それぞれに
違うお皿に盛りつけられていて
「ん~、美味しい~」
「ああ。何を食べても美味いから
安心して食べられるな。
水無瀬牛の握りも美味いし」
「サクラマスのポワレも
凄く、美味しいね。
ルイベも美味しいけど、
同じ食材でも色々な方法で
調理してあるから、
別の楽しみ方が出来るね」
「食べログの高評価も頷けるな、
隠れた名店であって欲しいと言う
投稿者の心理も分からなくもないな」
美味しい 水無瀬島を
たっぷりと堪能して
店を後にした頃には
すっかり日が落ちていて
本来の目的地である
地元の人しか行かないと言う
夜光虫が見られる砂浜を目指す
「楽しみだな、夜光虫」
そう杏寿郎が声を掛けて来た