第59章 2人のハネムーンは… 前編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
フライボードと言うのは
水上バイクのジェット水流を
ボードと連携して噴射する
水圧で高く飛び上がる事が出来る物で
「昔、先輩に誘われて
何度か経験があると言ってましたが…。
してる所は見た事ないですね…」
でも 動画に収めて欲しいと
言ってたし フォームがどうとか
こうとか言っていた様な??
『高さは、こっちで調整しますから。
初めての方でも、
すぐに飛べちゃいますよ?』
あ これ私にも体験しないかって
勧誘されてる感じか
そんな話をしていたら
水流を勢いよく吹き上げながら
杏寿郎の乗ったボードが
高く舞い上がるのが見えて
そうだ 動画の撮影して欲しいって
言われてたの忘れてた
『ご主人、お上手ですね!
まだまだ、高くても大丈夫そうですね。
安定感ありますし』
今のでも5メートルぐらい
上がってた気がするけどな…
と思って 動画の撮影を始めると
さっきは高く飛び上がただけだったけど
今度は更に高く 飛び上がったと思うと
ジェットを吹き出しながら
空中を移動し始めて
え?え? あれってそんな事出来るの?
『わぁ!凄いですね。ご主人。
めちゃくちゃお上手ですね、ショップの
ブログで画像、使わせて貰ってもいいですか?』
別の場所でSUPのボードの手入れを
していたスタッフの人がこっちへ来て
『おおっ、すげぇじゃん!
おーい!テル~!そっち置いといて、
こっちこっち、見にきいさ』
そう島の方言が強い
良く日焼けをした男性のスタッフの人が
バーカウンターで仕事をしていた
別のスタッフの人に声を掛けて
テルと呼ばれた 若い男性の
スタッフの人がその声にこちらへと来て
『あっちあっち、見いや。
あれ、あん人。お前より、上手かね?』
テルと呼ばれた男性スタッフが
杏寿郎の様子を見ると
『ハーフムーンからの、
レモンスラッシュ…、ここまで
安定してるんだったら、ドルフィンとか
もう、ブッ込んで来るでしょ?
哲也さんも、嬉しいんじゃない?』
そう言って テルと呼ばれた
スタッフが水上バイクを操作してる
スタッフの人を指差して言って来て
あれ?あの動き…
見た事ある… 前に
フライボードを自在に操りながら
宙を舞う姿を見て
揺らぐ炎の様な羽織が
翻るのが 彼の影に重なる
「…不知火…だ、そうあの動き」