第59章 2人のハネムーンは… 前編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
そう 日焼け止めを
身体に塗るかと尋ねて来て
もう 絶対に塗るよりも
触る方になるのは
許すまでもなく分かってるので
「えー?ヤダ」
「人が親切で言ってるのに、酷くないか?
俺は、君の旦那さんなんだぞ?」
そう しょぼくれた顔をしながら
不満そうに言って来るから
こっちが苛めてるみたいな
言い方するの止めてくれないかなぁ…
「だって、杏寿郎。
日焼け止め、塗らせたら。
真面目に塗らないじゃん」
今までに行った 海やプールだって
大体そんなんだったんだから
今回に限って普通に
塗ってくれるとは思えないし
「それは、君が、うっかり
喘いでしまうって言う心配か?」
「うっかりも、何も…。
どっかの誰かさんが、ちゃっかり
そうしに来るからでしょ?」
みくりのその言葉に
驚いたとでも言いたげな顔を
杏寿郎がしていて
「何だ。知ってたのか…」
「なっ、バカッ!
気が付れてないとでも思ってたの?
流石に、気付くに決まって…」
ニヤニヤと厭らしい笑みを
杏寿郎が浮かべて来て
短めのサーフパンツの裾から
手を差し入れて来て レギンスの上から
太ももをスリスリと撫でまわして来る
「で?塗るか?」
「っ、だから、塗りませんっ!
いちいち、…触り方がっ、
厭らしいんだってばっ、杏寿郎は!」
「そうか、残念」
そう全然 残念でもない口調で
残念だと杏寿郎が言って来て
「もう、えっちな旦那さんは
置いて行っちゃおーっと」
パドルとSUPボードを抱えて
みくりが白い砂浜を走って行って
「あ、コラ。待て、行くなら一緒に」
ピタッとその言葉にみくりが
足を止めると 顔だけこちらに向けて来て
「行くなら…、一緒がいいの?」
そう別の方向の含みのある言い方を
して言って来て
「難しいけどな、一緒は」
どうせ そうなる時は
勝手に何度も
こっちは そうなってしまっては居るけど
2人でSUPボードで
海の上の散歩を楽しんでいると
突然に話の続きを
周囲の近い場所に誰も居ないからか
杏寿郎がして来て
「試してみるか?一緒に。
俺としては、
先に女性がそうなって、からが
理想的だとは思うがなぁ?
でないと不満が残りそうだろ?」
「ねぇ、杏寿郎、見てあっち」
みくりが空を指差して来て
僅かな雲間から青空が見えて