第59章 2人のハネムーンは… 前編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
そう言って その人が差し出して来た
畳んだメモをそのままみくりが受け取る
ホテルが共有して所有している
その小さな 小無瀬島(こなせじま)へは
昨日クリアカヤックをするのに
ショップの裏の階段から降りた
桟橋の所から 奥にある
ミズナセテラスの建物のある
岬の先端へ向けて
更に伸びている岬の先の桟橋に
小さな白いボートがあって
島へは1時間に1~2往復してると言う事らしく
でも こちらの帰りたい時間に
割とファジーに決まった時間でなくても
合わせてくれるとの事だった
沖縄には うちなーたいむと言う
独特の島ならではの時間の感覚があるが
この 水無瀬島も 島だから
そんな 部分もあるのかも知れない
安定感のあるボートだが
救命胴衣を着用して
ボートに乗り込むと
少し先の海の上に浮かぶ
白い砂浜の広がっている小水無島を目指す
小さなボートで15分足らずの
海の旅を終えて
島の砂浜から伸びる桟橋を渡ろうとした時
「みくり、上、見てみろ!」
杏寿郎が上を見る様に促して来て
上?と言われて
上空を見ると
パラグライダーの様な物が見えて
でも あれ違うな
名前…なんだっけ?
ボートに引っ張って貰う奴だ
「えっと、アレの名前っ…
何だったっけ?パラグライダーじゃなくて、
って、アレ?あっちに飛んでるのって…」
普通のパラグライダーに大きな
扇風機みたいなファンが付いてる方のやつ
「ん?あれは、モーターパラグライダーか、
海の上の空の散歩を楽しんでる様だな」
「違う違う、そっちじゃなくって
船で引っ張って貰う方のやつ、
名前、…ああっ、思い出した。
パラセーリング!」
ボートで引っ張られて
ボートから伸びた線が上空へと伸びる
想像してるよりも 上だな
小さくないかな?高さ結構ある気がする
「200メートルまで、行けるらしいぞ?」
「200メートル…か」
そう言って豆粒ほどに見えている
パラセーリングを下から見上げる
「ねぇ、せーので。上陸しようよ」
幸いにも平日の日中の私有地なので
人影もまばらだ
桟橋の端で 手を繋いで
せーのでジャンプして 島に上陸すると
『ようこそ!コナセ島へ。
お名前、お伺いしてもよろしいでしょうか?』
「すいません、
お世話になります。煉獄ですが」