第58章 今年の彼の誕生日は…後編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
「もう、そんな事言ってないし。
誰かさんがキスばっかりして来るから、
ご飯に時間が掛かり過ぎたんだよっ」
「いや、その、外でしてもいいと
お許しが得られるのは
滅多にない事だからな、つい…」
杏寿郎が自分の人差し指で
難しい顔をしながら
自分の唇を押さえていて
「もう、お風呂、どうせ一緒にとかって
言うんでしょ?お湯張りして来るから」
そう言ってお湯張りをしに行く時に
ベットの脇に浴室があるから
必然的にベットが視界に入るんだけども
南国リゾートを思わせるような
天蓋が天井から下がっている
フレームに取り付けられている
そのベット上の異変に気付いた
無かった物があるのだ
あっちのデイベットには
プルメリアの花があったが
こっちのベットには何もなかった
でも 今は
色とりどりのプルメリアの花が
ベットにハート型に敷き詰められていて
フラワーベットになっている
そのハートの上には
タオルアートのスワンが2匹
仲良く並んでいて
「おお、凄いな。見たか?」
「見たくなくても、見えてるよ!」
「一回、やってみたかったんだ」
その並んだ スワンの首と頭が
ハートの形になって居て
「寝れないッ、崩せないし」
「とりあえず、撮るだろ?」
「撮る、撮るけどッ。
その後、どうするの?
崩せないよ、勿体ないもん」
「これ、置いといてあっちで寝るのか?」
あっちと言うのは
デイベットの方なのだけども
「いや、あそこは
半分外みたいなんだもん。
それにデイベットだからそんなに
大きなベットじゃないし…」
「そーっと、あっちに移動させるか?」
そう言って部屋のテーブルを
杏寿郎が指さして来て
「そっと、そーっと?」
「形を崩さない様にな」
スマートフォンで撮影した後に
崩さない様にしながら
タオルのスワンを運んで居る
姿を見ていると
何とも微笑ましいなと思ってしまって
「って、杏寿郎、何で
動画撮ってるのよ?」
「いや、君があまりにも
可愛らしい事をするもんだからな、つい」
ベットからそっと
崩さない様に移動させたタオルのスワンを
テーブルの上で整えると
その周囲にベットの上から
幾つかプルメリアを選んで
そのスワンの周りに配置する
「納得したか?みくり」
「うん、これで安心してベット使えるね」