第58章 今年の彼の誕生日は…後編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
「なぁ、みくり。
なら、ちょっとだけ…
ここで、前払いはアリか?」
お祝いとお礼の前払いが
ここで欲しいと杏寿郎が言って来て
「前払い…、どうして欲しいの?」
個室で薄暗いとは言えど
あまり 度が過ぎる様な行為は
流石に許可は出来ないけど
杏寿郎が 飲み比べセットの
グラスをひとつ手に取ると
みくりに向けて差し出して来て
「飲ませてくれないか…?」
杏寿郎の考えてる事は
何となくにだけど 分かってる
お酒 飲まして欲しいんじゃなくて
ここで キスがしたいだけなんじゃって
「キス、したいだけじゃないの?」
「俺は、キスがしたいとは
言って居ないぞ?みくり」
「じゃあ、杏寿郎はさ…
今さ、したくないの?キス」
「いいのか?するぞ?」
「したい癖に」
「外でしたら、怒るだろ?」
そっと杏寿郎の膝の上に
みくりが手を置いて来て
その手がススッと膝から
太ももの方へ移動する
「怒らない…かもよ?今日は…」
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お酒も食事も美味しかったから
どっちも結構進んでは居たんだけど
食べるよりも飲むよりも
一番 進んでたのは
青い光に切り取られた
ふたりだけの小さな世界で
交わしたキスの方かも知れない
ちゅ…と
小さな音を立てて触れて来る
遠慮しがちに触れて来るが
それも最初だけで
「んっ、ねぇ、また…するの?」
「いいだろう?ちょっとだけ…」
そう言って 短いキスを
少し交わしては
その口付けに 酔って
物足りなく感じながらも
こんな場所でするキスに溺れている
「んっ、…はぁ、溺れちゃう…っ」
「ん?溺れたりしないだろ?
アクリルガラスが割れたなんて、
聞いた事無いが…?」
「ご飯、食べ終わらないから…ッ」
「そうだな、それは
怪しまれるかもな、時間の経過の
割に、食事の方が進んでないしな」
杏寿郎がみくりの耳元に
口を近付けて来ると
「みくり、続きは後で
たっぷりと、だな?」
その杏寿郎の問いかけに
自分の首を縦に振った
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サンセットカヤックをして
食事をして戻ったら
結構いい時間になっていた
「もう、10時過ぎてるんだけど?」
「あそこは0時まで営業してるぞ?」