第58章 今年の彼の誕生日は…後編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
従業員の人の後に着いて
中を進んで行くと
中央のメインの水槽に
沿うようにしてぐるっと
テーブル席が配置されている様で
先程の座敷のエリアの
反対側が個室エリアになっている様だった
「どうぞ、こちらのお席になります」
テーブルに4人掛けのソファ席の
4人で座ればギュウギュウになる様な
小さな個室だが
その奥が一面の水槽になっていて
上から下まで壁の一面が水槽になっていた
「ここなら、二人っきりで
小さな海を楽しめるだろう?夜でも」
「杏寿郎…、素敵過ぎるのですが?」
「居酒屋だからな、メニューも
とりあえず、お造りは5種盛でいいか?
炭火焼だから、海鮮のセットと。
みくりは、いつものか?」
いつも居酒屋で注文する物でいいのかと
杏寿郎が確認をして来て
「あ。ホタルイカの天ぷらあるよ?」
メニューの中から
お互いの食べたい物を選んで
水無瀬島の地ビールで乾杯をする
「乾杯」
「乾杯」
ビールのグラスを合わせて
ぐいっと一口飲んだ
春の島の味である
鯛とサクラマスと
橋のある辺り海で有名な
タコを使ったカルパッチョサラダを
取り皿に取り分けると
「これぐらいでいい?もっと?」
「いや、とりあえずはそれでいい」
室内は明るさを落としてあるから
水槽の方から照らされる
青い間接照明が
目の前の 彼女を
いつも以上に 綺麗に見せていて
じっとその顔を眺めていると
俺の視線に気付いたのか
みくりがこちらを見て来て
「やっぱり、周囲が海だから
お刺身も。天ぷらも美味しいね」
「日本酒…飲むか?
地酒もあるぞ?これだけの
新鮮な海鮮なんだ、
日本酒でくいっと行きたくないか?」
杏寿郎の言葉に
みくりがアルコールのメニューを
手に取って じっとそれを見ると
「じゃあ、この地酒の
飲み比べセットにする?3種類飲めるし」
「そうか、それはいいな、
飲み比べできるのはいい」
「手元のタブレットで、
注文できるのもいいよね?
気軽に注文できるし、一回一回
お店の人呼ばなくていいし、
注文のミスも無いだろうし」
そんな事を言いながら
備え付けのウエットティッシュで
そのタブレットを拭き取ると
タブレットで飲み比べセットを注文する
火起こしをした七輪が運ばれて来て