第57章 今年の彼の誕生日は…中編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
ザバッと杏寿郎が
一緒に入っていた湯船から出ると
置かれていたバスローブを羽織って
そのままテーブルの上にあった
空いたフルーツの皿とレイエスの
グラスを持って行ってしまって
慌てて今の時刻を確認しようと
備えつけの時計を確認すると
時刻は丁度 5時だった
ピンポーンっとインターホンがなって
全裸だったし
あっちもこっちもガラス張りなのだから
見るつもりがあってもなくても
あっちからはこっちが丸見えだ
マズイ!!
いや マズイなんてもんじゃないッ
こんな所で大恥を晒してしまう
慌ててそのジャグジーのスイッチを
オンにして泡が勢い良く出ている
そのお湯の中に入った
ゴボゴボと噴き出す泡に身を隠す様に
肩までよりも深く浸かる
ルームサービスの品物が乗った
トレーを杏寿郎が持って戻って来て
多分 時間が早いし
後でまた軽く食べるつもりの
軽食なのだろうけども
「って、それ、沖縄そばじゃないの?」
太目のうどんを思わせるような麺に
紅ショウガがトッピングされている
いや沖縄そばだけじゃない
ゴーヤチャンプルーとラフテーに
もずくの天ぷらもある
「ああ、沖縄フェアをしてるらしいぞ?
何でもこのホテルの姉妹ホテルが、
沖縄にあるらしくてな。
あっちでは、こっちの生シラスや
ウニしゃぶが食べられるらしいがな」
「この県なんて、お隣さんとか
斜めお隣さんとかに比べたら
ご近所さんもだけど、
全国の知名度が低い県じゃない?」
「ジーマミー豆腐あるぞ?」
「欲しいっ!食べたいッ。
それ、凄い美味しいやつ、好きっ」
ゴマ豆腐のピーナッツ版の様な
デザートのポジションの沖縄料理だ
「それに、この建物も沖縄らしいから
ここで、沖縄料理食べると、ぽいだろ?
そうと決まれば、飲み物はこちら…」
沖縄でビールと言えば
「オリオンビール」
って 杏寿郎も
今の言い回しに
若干きまぐれクック臭がしてたな
「レイエスのグラス、あっちで
洗って来て置いたぞ。
飲むだろう?オリオンビール」
沖縄料理とご当地ビールで
軽食を済ませると
時間は6時前だった
プルルルルと電話が鳴って
杏寿郎がそれに出ると
「はい、じゃあ、お世話になります。はい」
ガチャと受話器を置いて
こちらを向き直ると
「向こうの送迎が来た様だ、行こう」