第57章 今年の彼の誕生日は…中編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
半開きになった唇で
赤い 真っ赤なイチゴの表面に口付ける
ちゅ… と音を立てて
イチゴの表面に唇を押し当てて
舌をはわせながら
自分の口の中にイチゴを引き入れて行く
杏寿郎はその様子を微笑を浮かべながら
静かに眺めていて
みくりの口にイチゴが半分ほど
引き入れられた時に くいっと
イチゴのお尻の方から指先で
イチゴをみくりの口の中に
押し込んで来る
「俺の指は食べない様…、
イチゴだけ…食べるといい」
イチゴが口の中にもうあるのに
杏寿郎は指を口から抜く気配がない上に
そのままイチゴを食べろと言って来るので
指先で唇と歯列を正面から
杏寿郎に弄られながら
もぐっと口の中のイチゴを咀嚼する
ふんわりと広がる
自分の口の中にイチゴの
甘味と特有の酸味…
「口…開けるか?」
グイっと下の歯列に添えられた
杏寿郎の指と顎を支えた手で口を開かせると
「食べるだろう…?他の
フルーツも、食べさせてやろう」
こっちに食べさせて欲しいと
言っていた癖に 気が変わったのか
杏寿郎がそう言って来ると
ガラスの皿の上にある
オレンジに手を伸ばして
自分の口に放り込んで
モグモグと咀嚼すると
そのまま キスをして来て
自分の口の中にあった
イチゴの香りと味が
「んっ…ッ、ふっ…んん」
鮮烈な オレンジの味に変わって行く
「美味いな…、イチゴ」
オレンジを食べていたはずの
杏寿郎がイチゴの感想を漏らして
ふっと口の端を曲げたかと思うと
「オレンジ…、もっと食べたい…」
そう杏寿郎に強請ると
杏寿郎がさっきイチゴをそうして居た様にして
自分の唇にオレンジを咥えると
こちらに差し出して来るから
ちゅ…とその表面に舌を這わせて
その味と香りを確かめながら
自分の口の中に取り込む
「美味いか?みくり、
オレンジ…、もう一つ、食べるか?」
もう一つ 食べるかと尋ねられて
その問いに頷くと
杏寿郎が新しいカットされた
オレンジを手に取って
咥えるのではなくて
今度は口に放り込んで
そのまま キスをして来て
口の中に舌を自分から差し込んで
そのオレンジを奪おうとするも
彼の方も自分の舌でそれを阻止して来るから
「んっ、んむっ、…んんーんッ」
重ねていた唇を
杏寿郎の唇から離すと
むっと顔を顰めて