第57章 今年の彼の誕生日は…中編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
宙に浮かんでいる様に見える
その見た目だけじゃなくて
二重構造になっているから
熱い物は熱いまま
冷たい飲み物は冷たいままに
グラスを持つ手や
気温の影響を受けにくいグラスで
ちょっと欲しいなって思ってたんだけども
レイエスのグラス
アレ?グラス 何か彫刻してある
んん?このグラスっ
「ちょっと、このグラスッ。
これも、杏寿郎の仕業なの?
グラスにも名前入ってるじゃんっ」
「レイエスのグラスは、安いぞ?
2000円位で買えるからな」
「んん、もう、そうじゃないよ
値段の事じゃないよ、何で
いつの間に、これを用意したの?」
ああ その事かと
言いたげな顔を杏寿郎がして来て
「ああ。これは。この前に
あの成瀬さんのトレーラーハウスに
泊っただろう?その時に使ったのは
ダブルウォールのガラス製じゃないの
だったからな。やっぱりアウトドアなら
あれでいいが、家で使うなら
レイエスの方がいいなと思ったんだ」
にこっと杏寿郎が笑って
「流石…、参りました。旦那様」
「じゃあ、何かご褒美でもくれるか?
そうだな…例えば、俺が
ソファに座って、君が俺の上に座って
あれを口で食べさせてくれる…とかな?」
そうは言って来るけど
もうこの流れとかも
全部全部 杏寿郎にはお見通しで
そうさせるつもりで
最初から
用意したんじゃないのかなとかって
そんな風にすら 思えて来てしまっていて
「ねぇ、杏寿郎…あのさ、
食べるのってさ、
その…、果物…だけ?」
「ん?何だ…、俺の可愛い奥さんは
俺に、食べられたい気分なのか?」
そう言って 囁いて来る
その杏寿郎の声が もう甘くて
「みくり、一緒に食べよう」
「んっ、でも…先に
折角のウエルカムドリンクだし…ッ、
乾杯する…、でしょう?杏寿郎」
ソファに並んで座って
レイエスのグラスを掲げると
「杏寿郎のお誕生日に」
「ふたりの結婚記念日に」
「「乾杯」」
チンっとグラスを合わせて
乾杯をする
イチゴの程良い甘みと酸味のある
美味しいカクテルで
「イチゴ…食べるか?」
杏寿郎がそう聞いて来て
自分の唇にイチゴを咥えると
みくりの方に向けて来て
杏寿郎の胸に手を当てて
そのイチゴに 口付けて
そっと舌を表面に這わせて行くと
口を開いて…