第57章 今年の彼の誕生日は…中編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
「ウエルカムフルーツもあるから、
カット、頼むか?」
足のついたフルーツ皿に
オレンジにイチゴ バナナにリンゴと
ぶどうが綺麗に盛り付けられていて
「うん、そうだね」
ウエルカムフルーツがある様な
ホテルなんて泊まった事ないな
海外のリゾートホテルって感じするな
いや もしかすると
杏寿郎が頼んだのかな?
そんな事を考えている間に
杏寿郎がフロントに電話をしていて
ウエルカムフルーツのカットを依頼していた
あそこで飲もうと言われたので
中庭に出ると
ガラス張りの休憩所へ移動する
ソファに腰を降ろすと
おいでとこちらに声を掛けて来たので
杏寿郎の隣に腰を降ろした
「プールあるんだね、夏だったら」
「入れるぞ?水着あるだろう?」
「え?もしかして、ここのプールって」
「確かめて来るか?」
その言葉にソファから立つと
みくりがその休憩スペースの
重いガラスのドアを開いて
プライベートプールの水に
そぉーっと自分の手を入れてみる
温かい… 露天風呂には低いけど
「温水プールなんだ…」
「都合のいいことに、今日は
最高気温も高いからな、入るか?」
確かにプールがあるんだったら入りたい
都合のいいことに水着もあるし
あれ?水着?
って ドルフィンスイムの為だったのかな?
それとも こっちの為??
「コロナじゃプールにもおちおち
行って、楽しめないからな。
営業その物を取りやめにしている
レジャープールや海水浴場も多いだろう?
ここなら、他の誰に気兼ねする
事も無く、プールで遊べるし」
パシャパシャと自分に手で
プールの温水をかき混ぜながら
「プライベートプールだからな…
全裸で泳いでも怒られないぞ?」
「全裸って、露天風呂なのか
プールなのか分からないじゃん」
杏寿郎も中から出て来て
プールサイドでしゃがんでいる
みくりの頭に手を伸ばして来て
ふわっと嗅ぎ憶えのある香りがして
自分の髪に何かを挿されたのに気付いた
「俺は、花には詳しくないが…
そこのデイベットに置いてあったぞ?」
自分の髪に挿されている
その花の形を指で確認すると
匂いの記憶と繋がって来て
「バリのリゾートのエステとかの
お風呂とかに浮かべそうなやつでしょ?
プルメリアの花でしょ?これ」
「だが、香りのいい花だな」