第57章 今年の彼の誕生日は…中編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
生け簀の中のイルカが
こちらからタッチしやすい場所へ
移動して来て
「なでなで、してもらっていいですよ~」
そっと ドキドキしながら
イルカの身体に触れてみる
「わぁ、凄いスベスベしてるっ。
濡らしたなすびみたいだよ。凄いっ」
濡らした茄子みたいだと
みくりがこっちに言って来て
その身体をそっと撫でると
スベスベした弾力のある感じが
確かに濡らした茄子だと
「確かに、濡らした茄子だな…」
「ははは、確かに
イルカの触り心地、濡らした
茄子って表現される方多いですよ」
最後にヒレに掴まって
生け簀の中をクルクルと
掴まって泳ぐと
しばらくの間好きに触れ合っていいと
告げられて 一緒に写真を撮ったりして
イルカとの時間を過ごした
「今日は平日で、予約も無いんで。
シロイルカも近くで見ますか?」
「いいんですか?」
「ありがとうございます」
「僕、ここで7年ほど、
イルカの仕事してるんですけど。
奥さんみたいな、コアなネタ持って
来た人初めてでしたから」
「持って来たんじゃないんですよ。
俺はここに来るって、本人に
伝えてないんで。ここに来るまで
イルカと触れ合うのも知らなかったんです」
「後、私が知ってるイルカの事は
フグ絡みのネタぐらいかなぁ…?」
そうみくりが言うと
納得した様に
インストラクターが頷いて
「奥さんでしたら、それも
ご存じだと思いましたよ。
僕から聞いてもいいですか?
奥さんはどうして一角に興味を?
毎回この質問してるんですけど、
一角好きだって言う人初めてなんで。」
世界でも飼育されていない
骨格標本しか展示されていない
そんな存在である一角が
何故に好きな生物の上位になるのか
「衝撃…だったからかな?
今はその水族館にも、一角の角の
展示はしてないんだけどさ。
置いてあったんだよ、角、と
一枚のモノクロの写真がね。
こんな生き物が、海に居るんだって」
そう みくりが答えて
「でも、僕思ったんですけど、
一角と、スナメリが好きなんだったら
マナティー好きじゃないですか?」
「マナティー、好きですっ!
昔テレビで、マナティの保護施設の
特集してたんです。その
キャベツ食べてるのがめちゃ可愛くてッ」
「いや、顔の感じが近い気がして…
ご主人はそんな顔じゃないですけど」