第56章 今年の彼の誕生日は… 前編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
双眼鏡から見える
対岸の見知った町を眺めていると
フッと真っ暗になって
あれ?おかしいなって思っていると
「みくり。買って来たぞ?」
「やっぱり、杏寿郎だと思ったし!」
「もっと、見たかったのか?」
「ソフトクリーム溶けちゃうよ。
あっち、海の見える展望デッキの
あの角曲がった奥の方に、ベンチあるから」
平日で サービスエリアの駐車場も
ガラガラなのに マスク外して飲食が
気に掛るらしく この見えている部分から
奥まった場所にある ベンチへ行こうと
みくりが杏寿郎に提案して来て
「そんな、人目のない場所に
俺を誘導していいのか?
ソフトクリームのついでに、
君の味見もするかも知れないぞ?」
「私の味がどんな味なのかなんて…、
わざわざ味見しなくても、知ってる癖に」
杏寿郎の言葉にみくりが
そう言葉を濁すと
杏寿郎の吐息が耳に掛かって来て
「奥さんになった君はまだ、
俺はお相伴に預かってないぞ?」
「ちょっとだけ…なら、いいよ。
味見…するだけ、程度だよ?」
ソフトクリームを
握らされて その上から
杏寿郎の手で握られてしまって
奥の人目に付かない 死角にある
ベンチで ソフトクリームを食べる
食べている内に体温で溶けて来て
その雫が みくりの指を濡らす
「ああ、溶けて来たか」
その指を伝う雫をペロッと
杏寿郎に舐め取られてしまった
「甘いな…、俺の奥さんの味は」
「バカッ、それは私の味じゃないし…ッ」
「ふむ。流石に君その物の味は
ここでは確かめる訳にはなぁ…
難しいだろう?」
私 その物の味と
杏寿郎が表現して来て
杏寿郎の言っている味が
どの部分の味なのかは理解は出来るけど
「だから、今は…こっちだけだな」
残念だと言いたげに言って
みくりの唇に自分の唇を重ねて来る
「んっ、ふぁ…ん、杏寿郎…んッ」
「こっちも、甘いがな」
すっと杏寿郎が みくりの唇から
自分の唇を離すと
指先でスルスルと唇を撫でて来て
その杏寿郎の指先が
唇から降り
喉を降りて鎖骨に達した
「あの…、杏寿郎?」
そのまま みくりの
胸の谷間を下って行く
谷間から お腹に
そこからへその凹みで指先を止めて
クイッと押して来る
更に指先が 下へ下へと下り