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ひみつのひめごと【鬼滅の刃/R18】

第56章 今年の彼の誕生日は… 前編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ



アパートに用意していた
キャリーバックを取りに戻ると

先程話をしていた
安物の指輪を 杏寿郎が
しまって居た場所から取り出す

まさか この指輪をまたする日が来るとはな

「みくり。あったか?」

「うん、多分ここに、入れてるから」

そう言ってみくりが
見覚えのあるお菓子の缶を持って来て

テーブルの上でそれを開くと

見覚えのある物が中から出て来る

指輪を探すのに必死なみくりに
気が付かれない様にして

テーブルの上に広がる
紙類の中から

その1枚を手に取った

映画のチケットに
水族館や動物園や美術館の半券だ

その場所に見覚えがある物ばかりが

その缶には収められている様で

「全部、置いてあるのか?半券
それ、全部デートで行った所のだろう?」

「何となく、捨てられなくて…さ。
あ。あったよ?指輪。ホラ!」

そう言って見つけた指輪を見せて来て

「みくり。俺にこれを見られて
俺が今、どんな気持ちなのか…
自覚、してるのか?これから
出る用事さえ、なければな…と」

そう悔やみ事を並べている
杏寿郎の事を無視して


「杏寿郎、ねぇ、指輪。
はめてくれる?指に」

「一度、贈った指輪だがな…」


病める時も 健やかなる時も…


ここには そんな誓いの言葉を

問いかけてくれる牧師の姿もないし


ましてや ドレスでもなくて


ここにあるのは 何故だか…

用意してるハズの結婚指輪でもなくて


4千円の ステンレスの指輪で



杏寿郎がみくりの手を取ったままで
指輪をはめてくれる様子もなくて

それを気にしてみくりが
杏寿郎に声を掛けて来て

だが 俺があの時 彼女に贈った


この4千円の指輪が


彼女を守ってくれたのは事実ではあるし


その値段以上の
働きをしてくれていたのは確かだ


「みくり。俺は…この先の
如何なる困難からも、君を守ろう」

「え?何?突然、オリジナルの
誓いの言葉、出て来る感じなの?」

「だから、君は…これからも
俺とずっと、一緒に居てくれ…みくり」

指輪を指にはめてくれたかと思ったら

そのままギュッと抱きしめられてしまって

「うん、居るよ。一緒に居るから」

「俺の妻として…、だな?」

「杏寿郎が、要らないって
言わない限りはね?」
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