第56章 今年の彼の誕生日は… 前編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
『ねぇねぇ、
明日、入籍するんでしょ?
これ、部署からもお祝い貰ったかもだけど
こっちは、私達からね?』
そう言って 可愛らしい祝儀袋を
こちらに向けて差し出して来て
全然 明日だって 自分でも
自覚無かったけど…
こうして お祝いして貰っちゃったら
急に 結婚するんだって自覚が湧いて来て
それにしてもこのご祝儀袋
凄い可愛いな
上が普通に水引になって結び目があるけど
そこから ハート型に
中央に降りて行ってて
そのハート型になってる部分にも
水引でカラフルな花形になっていて
中央の本来の結び目が来る部分は
バラの形になっている
「水嶋さぁああん、これっ
滅茶苦茶可愛いですぅううっ。
ありがとうございます。袋、大事にします」
「いや、前に、私の出産祝いの時
袋、選んでくれたでしょ?
みくりちゃん。だからちょっと
凝ってるのって、探したんだけどね?
いや、袋大事にしてくれるの?そっち?」
そう言って 同じ部署の
女性陣が連名でお祝いを用意してくれてて
「後ね、これ、必要だって思ってね。
私達から、お金だけって言うのもあれだし。
プレゼント。新婚さんと言ったら、やっぱり。
これかなって。ド定番だけどね?
普通にそれ用とかのじゃないから。
安心して、使ってね?」
そう言って ラッピングされた
袋を一緒に手渡されてしまって
「ありがとうございます」
お礼を言いながら受けとった
「喜んでくれると
いいんだけどね、ご主人」
そのまま いまひとつ身が入らないままで
仕事を終わらせて家路に着いた
アパートの前で
スマートフォンを取り出すと
杏寿郎からLINEが来ていて
今日は早く帰りなよと周囲から言われて
定時きっかりに帰ったらしく
先に帰って夕飯用意しとくからと
言う旨のLINEだった
明日が杏寿郎の誕生日だけど
明日は杏寿郎が
朝から自分の誕生日なのに全部
予定決めてそうだったから
せめて ケーキでも用意して置こうと
駅前のケーキ屋さんにちょっとお願いして
ケーキ用意して貰ったんだけど
後…一応 プレゼントも用意はしてるけど
どうせ本人に
欲しい物あるの?って聞いても
みくりが欲しい!とかそんな事しか
言いそうにないので 勝手に用意しておいた
いや 本当にそう言うか試してみようかな?