第55章 今年の黄金週間は お相手:煉獄杏寿郎 現パロ 裏なし
「大丈夫なのか?かなり苦いぞ?
俺でも、苦いって
口に出したいレベルだからな」
「杏寿郎、これ、凄いっの、
こんなの…知らないしっ」
意味深な言い回しに
思わずあらぬ想像をしつつも
「今までにない様な、初めての経験か?」
「そうだよ、こんなの
経験した事無い……もん。
騙されてる気分だよ。最初に
口に含んだ時は少しステイさせて
味わっても、香りの通りに
フルーティーな味しかないんだもん」
そう言いながらも
グラスの中のビールの香りを確かめていて
「そう、この香り。この香りの
通りの味なんだよ、最初は。
でも、飲み込んだら、化けるの
ガツンと言うよりは、キリっとして
痺れるような苦さだから。
苦さの種類としては、辛口の
日本酒に近いイメージがするね」
辛口の日本酒…と言う
みくりの言葉に杏寿郎がハッとする
それを確かめる様にもう一口飲むと
確かに喉を越す時に来る深みのある
独特の苦さは 辛口の日本酒の似てる
「相当に、苦いが大丈夫なのか?」
「舌が痺れる感じがする、苦さだけど。
普通のピルスナービールの
あの最初から来る苦さとは、
苦さの感じ方も立ち方も全くの別物。
あの苦さは苦手だけど、確かに
強烈な苦さなんだけど嫌じゃないかも」
杏寿郎が
自分の手にあるグラスの中の
ビールの匂いを確かめつつに
咀嚼しながら嚥下すると
「苦味も際立つが、香りも立つし
コクも深いからな、合わせるのは
赤ワインと合う様な、料理の方が
良さそうだな!味の濃いい
肉料理や、油ものと相性が良さそうだな」
杏寿郎の言葉に
みくりがふふふと笑って
「確かに、このビールは個性が
強すぎて、自己主張があるから
筍料理とは合わないかもね。
それこそ、ジンギスカンとだったら
癖の強い同士で、相性良かっただろうね」
「確かに、ジンギスカンとは
これは、合いそうな味だな…」
「ああ、だったらさ。
このビールにはさ、スペアリブがいいよ。
オレンジジュースとカットした
オレンジを入れてさ。多めに
あらびきのブラックペッパー効かせて
圧力鍋で煮るの、良さそうじゃない?」
杏寿郎がビールのグラスを持ったままで
頭を抱えていて はぁーっと
ため息をついて居るから
みくりが首を傾げて
「だ、か、ら。
毎回毎回、俺は…嫌なんだ…」