第55章 今年の黄金週間は お相手:煉獄杏寿郎 現パロ 裏なし
「そうだな、そろそろこれも
良い頃合いだろうからな、
温度が上がって香りの立ち方の
変化を楽しむのも良いだろうな」
そう言って杏寿郎が
グラスにインドの青鬼と言う
IPAビールを注いで
そのグラスをみくりの前に置いた
薄く泡にも黄色味を帯びた
濃いめの琥珀色のビール
そのグラスに 鼻を押し付けて
その香りを嗅いで確かめる
「わあっ。凄いっ、これ、
すっごいい匂いする。ビールじゃない
何?新しい、香りする。いい香りする」
「よなよなに近い感じか?」
レモンぽいのかと聞かれて
更にその香りを確かめる
「ううん、違うな、あれとも別
確かに柑橘のフルーティーな香りが
するんだけども。もっと。
香りその物に、深みがあって
華やかで芳醇な香りがする。
既に、匂いが美味しいもん」
今までのビールとも
違ったリアクションを取るみくりに
杏寿郎もその香りをグラスに鼻を
近付けて確かめる
「確かに、柑橘を思わせるが
爽やかなレモンと言うよりは…
グレープフルーツの方が近いか。
だが、その後ろに深さのある苦さを思わす
香りが潜んでる感じがするな」
「これ?苦いの?全然苦そうな
匂いしないよ?すっごいいい香りする」
グラスに鼻を入れたままで
その香りをずっと嗅いだままで
みくりが缶に書かれている
驚愕な苦味とはかけ離れた
その香りに信じられない様に言って来る
「いい匂い~」
「とりあえず…、飲んでみるか」
そう言って杏寿郎が
一口 そのビールを口に含んで飲むと
「ん?…これは…ッ」
ある事に気が付いて
みくりを止めるかと
そう思った時には
既に時は遅くて
みくりがグラスに口を付けて
一口 そのビールを飲むと
「あれ?全然、苦く……んっ?無くないッ!
何これっ、舌痺れるんだけど?苦っ!!
杏寿郎、苦すぎッ、でも待って。
これ、ヤバい…ほうのやつかも?」
これは結構 俺でも 苦いと
感じる位のしっかりとしたガツンと
インパクトとウエイトのある苦味だったから
みくりには飲めないだろうと
そう思った時に
目の前のみくりが自分が次を
飲むよりも先に 次の一口を飲んで
「美味しいっ、んだけども、
その後が、飲み込んだら舌がビリビリ
する、苦味が来るね。
これっ、でも美味しい」
と更に次を飲んで