第55章 今年の黄金週間は お相手:煉獄杏寿郎 現パロ 裏なし
「杏寿郎、何か
めぼしいビールはあったの?」
カートを押して
ビールの棚の前に居た
杏寿郎に声を掛けると
青いビールの缶をその手に持っていて
「今夜はちょっと、思い切った
冒険をしてみないか?」
ビールを飲んで冒険をするとは?
彼は一体何を言ってるのだろうか?
そのカゴに杏寿郎が入れた
ビールの缶には全面がブルーで
大きな顔がついて居て
「IPAと言う種類のビールだがな。
まぁ、このビールが
どんなビールなのかは後で
飲む時に説明するとしよう」
みくりがその缶を手に取ると
缶に書かれている表示を見て
「凄い苦いって書いてあるんだけど?
いつものビールだって苦いのに、
大丈夫なの?これ…」
不安しかないんだけども
ビールの苦いの苦手なのに…
缶に苦いって書いてある様な
そんなビールを試したいなんて
「俺も、これは飲んだ事なくてな。
飲め無さそうなら、残りは、俺が飲もう」
「まぁ、飲んでくれるならいいけど」
杏寿郎の言葉に同意して
そのビールもカゴに入れたまま
レジへと向かった
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その日の夕食は筍尽くしで
基本の若竹煮から
メインであろう 手羽元と筍の煮物
筍の天ぷらに
筍ダッカルビの様な 筍のチーズ焼き
そして筍ご飯で
「沢山送ってくれたからね、
また、小出しにして行くね?
それからホタルイカと筍と
アスパラのアヒージョね、後はね」
ガラスの器に山盛りの
ミニトマトが入っていて
「フローズンミニトマト食べ放題だよ?」
「成程、アテには不足は無さそうだ。
よし、じゃあ、アレも出しておくか」
そう言って杏寿郎が
冷蔵庫から青い顔の付いた
ビールを二缶と食器棚から
エールビール用のグラスを取り出して
「この、インドの青鬼は
よなよなエールと同じ、
ヤッホーブルーイングのビールだぞ」
「へぇ、確かに個性的な絵柄の
ラベルしてるもんね、それも」
「IPAと言うのは、
インディア・ペールエールの略称だ。
昔、イギリスからインドへの
航路でのビールの運搬の過程で
ビールが腐敗するのを防ぐ目的で
大量のホップを使用したのが始まりだ」
「じゃあ、そのビールもエールなら
やっぱり、13度ぐらいなの?」
冷蔵庫から取り出した物の
まだ注ごうとしなかったから
杏寿郎に尋ねてみる