第55章 今年の黄金週間は お相手:煉獄杏寿郎 現パロ 裏なし
「頭の匂いの感想じゃなくって、
髪型の方を言ってるのっ!」
「ああ、いいんじゃないか」
「ワンピースは、大丈夫?
シルエットおかしくない?」
「なぁ、みくり。
俺の両親と会うのは初めてじゃないし、
結婚するのも、知ってるんだぞ?」
何もそこまで改まる必要もないだろうと
杏寿郎に言われてしまって
そのままアパートを出て
隣の県の俺の実家へ向かったのだが
移動の道中や立ち寄ったコンビニでも
自分の身なりが気になっている様で
俺とどこかへ出かけても
ここまで身なりを気にしたりしないのに
車で1時間半ほど走って
実家に到着した
玄関の前に立つと
ギュッとみくりが
杏寿郎の服の端を握りしめて来て
「珍しいな、緊張してるのか」
「う、うん、だって…要するに。
息子さんを私に下さいッ!って言うんでしょ?」
一瞬その場で転びそうになりつつ
杏寿郎が崩した体勢を整えて
これを当の本人は凄い真剣な顔で言うから
「もうっ、冗談に決まってるじゃん。
あ、待って、インターホン。
私が押すから」
ピンポーンと玄関のインターホンを鳴らして
玄関の向こうから はいはい只今と
声が聞こえて来て ガラガラと玄関が開く
「こんにちは、良く、お越しになって
下さいましたね。みくりさん」
杏寿郎の母の瑠火が2人を出迎えてくれて
「どうぞ、お上がりになって下さい。
今、主人を呼んで参りますので」
「すいません。お邪魔させて頂きます」
瑠火対してみくりが頭を下げると
玄関の中に入ると戸を閉めて
瑠火の方を向き直ると
「こんにちは。杏寿郎さんとは
お付き合いをさせて頂いておりまして。
本日は改めて結婚のご挨拶をと、
伺いさせて頂きました。お忙しい中
お時間を割いて頂きありがとうございます。
よろしくお願いいたします。」
ふふふと瑠火がそのみくりを見て
口元を押さえながら笑うと
「そんなに、改まらなくても
結構ですよ。みくりさん。
どうぞ、もう、朝からあの人ったら
落ち着かない様だから、一緒なのよ」
そう言って 瑠火に案内されて
応接間に通されると
既に 上座に槇寿郎の姿があって
「来たか…」
「失礼をさせて頂きます、
杏寿郎さんのお父さん。
今日はお時間をお取り
頂きまして、ありがとうございます」