第55章 今年の黄金週間は お相手:煉獄杏寿郎 現パロ 裏なし
「いや、それはね、杏寿郎。
こうしてね、一緒に住もうって
話になった時にね。
結婚を視野に入れて、生活を
一緒にしたいんだって言ってたし。
同棲してから、1年以内に入籍したいって
杏寿郎の意向はさ、最初から
聞いては居たんだけどもね?」
「だったら、何故渋る必要があるんだ?
何に、迷う必要性がある。みくり」
杏寿郎が腕組みをして
こちらを見下ろして来て
「持って来なさい。君に
預けてたあれを、持って来なさい。
それも、今すぐにだ。でないと」
「でないと?」
「今夜はゴム無しになるぞ?」
「やっ、ちょ、待って!
杏寿郎、紙今、持って来るから。
いや、持って来させて頂きますからっ」
そう言って 凄い勢いで
部屋に戻って
俺が予め記入して置いた
婚姻届けの入った ファイルと
ジェットストリームのボールペンを持って来て
「持って…来ましたっ」
「よろしい。なら、見てるから。
今すぐ、記入しなさい、何
すぐに書ける。見ていてあげよう」
そう言って痛い程の刺さる視線を感じる
杏寿郎が隣で腕組みをして
監視する中で
みくりがファイルの中にある
私が記入する部分以外が
記入済の婚姻届けを取り出して
5通あるのだが…
その5通共が異なったデザインの
ピンクの婚姻届けだった
「これ、ダウンロードしてくれたの?」
「ああ、君がどれが好みか
分からなかったからな。
ただの紙切れ一枚の、手続きの
書類だと言えばそれだけの物だが
一生に、一度の事だからな」
その中にあった
ベースは白だが枠がピンクで
右隣の空白の部分に
赤の毛糸でLoveの文字とハートが
あしらわれている 婚姻届けを
その5通の中から手に取ると
「全部書いてくれ」
「え?失敗したらじゃなくて?」
そう隣から杏寿郎が言って来て
「でも、一枚でいいんだよ?」
「だが、5枚とも出してはダメでもないだろう」
いや それ市役所の人に迷惑なんじゃ
でも杏寿郎なら頼んであっちに
5枚の婚姻届けの束を
いつもの勢いで受け取らせてしまいそうだ
そう思いながらに
10日の当日の彼のその様子が
思い浮かんでしまうので
今から いたたまれなくなりつつも
視線を感じながらに
その5通の婚姻届けに記入した
「当日まで、俺が、預かって置こう。
不本意ではあるが…今夜はつけるか」