第55章 今年の黄金週間は お相手:煉獄杏寿郎 現パロ 裏なし
毛先のカラーで傷んでる部分を
数センチだけカットして
前髪切ったぐらいだから
スタイルは変えてないし
変化らしい変化なんて 確かに無いけどさ
行くって 言って行ったんだから
カットしてるのは 知ってるから
気付くとか気付かないの問題じゃないけど
「お昼はどうする?前に
行きたいって言ってた、あの店にするか?」
「ええっ?今から行くの?
いいよ、そこは、また時間がある時で。
それにあの店は、ちょっと
するっとお昼って感じでもないし」
「どこがいい?どこで食べたい?」
「とりあえず、あっち行って
から考えるから移動しようよ?」
そう言って 駅の中に入って
急行の電車で 間に小さな駅を
挟みながら 10分少々移動すると
最寄りにしている駅よりも
店が集まっている 大きな駅に着いて
「ああ、じゃあ、あそこ行こうよ。
ドライカレーにオムレツ乗ってるあそこ」
「あそこか、俺はじゃあカツカレーだな」
「オムライスかカツカレーだよね」
そんな話をしながら着いたのは
昔ながらの昭和レトロな喫茶店で
店先には フォークに巻き付いた
ナポリタンスパゲティが宙に浮いた
食品サンプルが ガラスケースに飾られている
「オムライスも捨てがたいな」
「もう、両方食べたら?」
「その手があったか!
そうだな、大盛とカツ増ししないで
両方にしよう!
みくり、天才じゃないか?」
「いや、褒められる部分おかしいけどさ」
そこでお昼を済ませて
喫茶店を後にして
目的地であった 駅前のデパートへ向かう
買うのは 明日の手土産なので
エスカレーターで B1のデパ地下を目指す
「やっぱり、定番は最中とか
バームクーヘンだよね?
うーん。無難な所なら、
焼き菓子の詰め合わせとか
マカロンとかでもいいけど」
そう言いながら みくりが
店先の菓子の詰め合わせを指差して
「どうしよう?何がいいかな?
どら焼きか、それとも、
あっちの店の果物が沢山入ってる
ゼリーの詰め合わせにする?」
「なぁ、みくり」
あれこれと何がいいかと
思案をしているみくりに
杏寿郎が声を掛けて来て
「何?杏寿郎は何が良いと思う?」
「俺が、君の家に行く時は
ああ、もう、お酒渡しとけばいいよって
そんなノリで。即決だっただろう?」