第55章 今年の黄金週間は お相手:煉獄杏寿郎 現パロ 裏なし
「流れついでみたいな、言い方
されるとそれはそれで、余計に
腹が立つんだけど?どうせ、
見た目だけは大人しそうですよ。
ハイハイ、そうですね」
「じゃあ、あれだな。
ついでじゃない感じで言えばいいと。
君はそう言いたいんだな?みくり」
ついでじゃない感じに言うと
そう言われてしまって
さっきの言葉に少々気分を害して居たけども
「騙されないからね?杏寿郎」
「誤解があるようだから、言って置くが。
俺は君のその見た目どうこうで、
選んだんじゃないと言いたいだけなんだが?」
そう言うと みくりは
黙り込んでしまって
それ以上の不満も言っては来なくなったが
「ここに居ても、仕方ないし。
電車乗るんでしょ?行こうよ」
それまでのやり取りが
まるで無かったようにして
そう普通の口調で言って来て
駅の入口の方へ身体を向けたから
「俺の話は、まだ終わってないぞ?」
「でも、もう、お昼回ってるじゃん」
そう言って 杏寿郎の方を
みくりが見ると
真ん前に杏寿郎の顔があって
ジッとこちらを見ている杏寿郎と
視線がぶつかってしまった
ふっとその顔が笑顔になると
「いつも、君は可愛らしいし。
綺麗でもあるがな。俺は君の
見た目も可愛らしいとは思って居るが。
俺が君の一番、可愛いと感じてるのは
そこじゃなくて…っ」
ギュッとみくりが
自分の手で杏寿郎の口を塞ぐと
その顔が不満そうな顔に変わって
「みくり?俺はまだ言ってないぞ?」
「いい、もう、いいから。
怒ってないし、拗ねてないから。
言わなくていいのっ!言わないで」
「可愛いな」
「なっ、ちょっ、今、
言わないでって言ったでしょ?
どうして…、言う…のっ…」
「可愛いからだろう?」
「言わないでッって、言ったのにッ」
「んー?言ったか?聞こえないなぁ」
みくりの訴えなんて
聞こえないと言いたげに返して来て
「今も、言ってるし!言ってるから」
「俺に、可愛いって言われて
恥ずかしがって照れる君が、
何より俺は可愛いと思うがな」
「…う…、ぅ…っ」
「そうなってる時の君が、
俺は可愛いと思うし、好きだがな」
「もう、言わないでって言ったのにぃ」
今にも泣き出しそうな言い方で
そう訴えかけて来られても
余計に可愛いとしか感じないが…なぁ