第55章 今年の黄金週間は お相手:煉獄杏寿郎 現パロ 裏なし
みくりがスマートフォンの
画面を見ながら こっちへ戻って来て
杏寿郎に対して伝えて来る
「ん?それはどう言う事なんだ?」
「ほら、筍って足が早いでしょ?
傷みやすいからね。下茹でした
筍を使いやすいサイズに切って
ジップロックに砂糖まみれにして置いたら
保存できるんだってさ。砂糖使うと
食感が冷凍しても保てるらしいよ?
って、おばあちゃんが言ってるってさ」
「そうなのか?それは知らなかったな」
じっとみくりが
両手でスマートフォンを持つと
その画面を凝視していて
「後、下茹で済みの砂糖漬けの冷凍筍、
こっちにも送るってさ。朗報じゃん。
ねぇ、筍届いたら、何にする?」
「そうだな…、定番は煮物か…」
「やっぱり、定番の煮物?
それとも、筍ご飯?生わかめで、若竹煮?
うーん、ホタルイカと一緒に煮ちゃう?
それかぁ~、ホタルイカ使うなら
ニンニク醤油で炒めちゃう?」
みくりが送られてくる筍の
使い道を既に算段をし始めていて
捕らぬ狸の皮算用と言うが…
これじゃあ まるで
届かぬ 筍の 皮算用…とでも言った所か
カウンターの向こう側から
みくりがこちらを覗き込んで来ながら
「じゃあさ、焼き肉のタレで
さっと炒めて、チーズ焼きにする?」
「チーズダッカルビみたいな物か?」
「そうそう、そんな感じのやつ。
で、杏寿郎は何がいい?
どれが食べたい感じ?筍」
はぁ…と杏寿郎がため息をつくと
「全く、みくり。君は
朝から罪作り…が過ぎるぞ?
筍はまだ届いてないのに、筍に
対する期待が膨らんでしまうからな」
「えー?そんな事ないよ~。
ちゃんと、筍届いたら調理するじゃん」
「で、いいのか?」
食洗器に下洗いした食器を並べながら
杏寿郎がみくりに尋ねて来て
「いいのかって?」
「もう、15分…経ってるが?」
杏寿郎がそう言って
しまったという顔をして
そぉーっとみくりが後ろを振り返って
リビングの時計の時間を確認する
「わああっ、時間ッ過ぎてるっ。
じゃあ、杏寿郎、LINEするからっ!
行って来ますっ!」
「待て、みくり」
慌てて玄関に向かったみくりを
杏寿郎が追いかけて来て
「忘れ物だ」
何か?忘れてたっけ?と
そう疑問に思って居ると