第13章 銀の流れる川 後編 お相手:竈門炭治郎
ああ やっぱり
本物のみくりさんは
俺の記憶のみくりさんよりも
何倍も綺麗だなぁと
感心してしまっていた
「こうして居る、今も……みくりさんの
匂いをもっと、近くで、嗅ぎたいですし、
それに、貴方に…口付けたいと
考えてしまっています!
きっと、俺、おかしいんですっ、こんな事……」
どうしよう?
どしたら いいんだろう?
真っすぐすぎるほどに
彼の感情を真っすぐにぶつけられてしまっては
私は 非常に困ってしまうのだけども
「きっと、今まで、そう言うの知らなかったから、
多分、一時的に、
そう感じてるだけなんじゃ……ないかな?」
と彼を諭すようにして言ってみる
「それは、違います。
俺は、みくりさんの事が好きなので!」
そう逆に
私の目を見据えられて
言われてしまって
「俺は、好きでもない相手に、
そんな感情を持ったりしませんから!
俺は、貴方が好きなんです!」
そんな目で見られたら
そんな顔して
そんな事 言われたら
でも 何だか…
私は悪い女にでもなった気がして
こんな子にこんな思いをさせておいて
そのまま ほったらかしにするのも
そう考えて
どう返そうかと考えていたら
ガシッと炭治郎に
両肩を掴まれて
ドサッっと
そのまま畳の上に体を倒されてしまった
上から 炭治郎君に見下ろされて
その目が 潤んで
悲しそうな目になって行って
「みくりさんは、俺じゃ…、
俺みたいな奴じゃ…駄目ですよね?」
そんなセリフを
そんな体勢で 上から
そんな顔をして 言われてしまったら
炭治郎君の事を
炭治郎君の事が 駄目だなんて
駄目だ…なんて
言える訳が……
「炭治郎君は、駄目なんかじゃないよ」
そう思わず 言ってしまって
すぐ目の前にある炭治郎君が
私の言った言葉に驚いて
一瞬目を見開いたと思うと
「だ、…だったら、いいんですか?
俺で……俺、自分でも信じられないんですけど、
俺、自分がこんなに……」
そう言いながらも
炭治郎が何かを思い詰めている様な表情をして
何かに期待をしながらも
それと同時に何かに遠慮をしてる様だった