第54章 スルタンコラボ企画 中編 お相手:冨岡義勇
そうだ 彼は王族なのだから
婚姻関係を結ぶのであれば
世継ぎを求められるのは当然の事
草原の国でも いい妻 いい嫁は
子供を沢山産める事なのだ
家の 一族の繁栄に繋がる
「子供はそう、気張る必要はない」
「え?それは何故ですか?義勇様」
「俺はこの、王族らしからぬ
見た目の所為で、母親も父が
スルタンではないのではないかと
大臣達からも疑われていた。
俺の子にも、引き継がれて
この髪の色と目の色になるだろう」
そっと義勇の手にみくりが
自分の手を重ねて
「私は、構いません。
むしろ、貴方様に面差しが似た
お子を授かりたくあります」
みくりの言葉に
義勇が驚いた様に目を見開くと
そのまま フッと微笑を浮かべる
「お前に掛かると、何もかもが
どうでもいい事になってしまう」
くすくすとみくりが笑うと
「ですが、どうでも良くあります。
私には、貴方様が居て下されば。
それ以上に望む物などございません」
スルッと義勇の手がみくりの
頬を撫でると
「みくり」
義勇がそう みくりの名を呼んで
自分の目を細める
そのまま
重ねられる口付けの予感を感じて
みくりが自らの瞼を閉じると
そっと遠慮しがちに重なる
義勇の唇の感触
ちゅ…ぅ
音を小さく立てて
唇に口付けを何度もされると
その全体を塞ぐようにして
義勇が自分の唇で
みくりの唇を覆うと
唇で唇を食まれて
ちゅ…と圧を掛けて吸い上げられる
「…んっ、…ふ…、義勇…さま」
「これは、大丈夫そうか?」
そう 義勇が問いかけて来て
その問い掛けにみくりが頷いた
ーーー
ーー
ー
その頃 杏寿郎と小野寺はと言うと
ベットの上に向かい合って座っていた
「あの、杏寿郎さん」
「何だ?今夜も縛られたいか?」
「いえ、そうでは無くて。その
みくりに聞いたのですが、
ふたりはその…昨日の夜…に」
ははははと目の前の杏寿郎が
笑い出してしまって
「ああ、そうかそうか、
双子の片割れに先を越されてしまって、
君としては置いて行かれた気分なのか?
小野寺、したいか?
その、俺と…口付けを」
こちらに問いかけて来る
杏寿郎の唇を見てしまって居て
その未知の感覚に期待をしてしまう