第54章 スルタンコラボ企画 中編 お相手:冨岡義勇
それからまた 夕食前まで
夜の方の講習を受ける事になり
恥じらいながらも大胆でありなさいと
そんな話を聞いたりして
一緒に離れの居間で4人で夕食を摂ると
お風呂に入れと言われて お風呂に向かった
驚いた事に 大きなお風呂が幾つもあるらしく
王都は砂漠の土地なのに
温泉が湧くから沸かす必要もないらしい
お風呂に入ったのはいいが
透け透けの夜着に着替えさせられて
そのまま それぞれの寝所に入ったのだが
みくりが寝室に入ると
窓の前に義勇の姿があって
用意されていた酒を手酌で飲んで居たので
「お酌…、致します。義勇様」
義勇が持って居た
酒器を受け取ろうとその手に触れると
義勇がみくりの方を見て
そのまま 固まってしまったので
「あの、義勇様?如何なさいましたか?」
「その、恰好は、侍女がしたのか…?」
「後宮ではこれが、普通なのだと
着替えをさせて下さいましたが?」
お酒のあてとして用意されている
後宮のチョコレートの入ったグラスを
義勇が指先でつついて
「これは、食べるなよ?」
そう言いながら その中から幾つかを
その手に取ると 紙に包んで
ゴミ箱に捨ててしまって
「良いのですか?チョコレートは
高級品なのではなかったのです?」
その問いかけに対して
義勇がグラスの中に残ってる
チョコレートの粒の中から
一粒をその手に取ると
「なら、食べるか?みくり」
その一粒のチョコレートを
自分の唇に咥えて
そのまま 顔を近付けて来るから
その唇から自分の唇で
その一粒のチョコレートを受け取ると
自分の鼻腔をそのチョコレートの
魅惑的な香りが刺激して来る
その味を確かめてみたいと
そう思ってしまって
「強力な部類の、媚薬入りだ」
そう 静かに義勇が言って
思わず 自分の唇に挟んでいた
その一粒のチョコレートを摘まむと
どうしたらいいのかと言いたげな
表情をこちらに向けて来るので
「捨てるか?」
「お願いします」
そう言って義勇の手の上に
そのチョコレートを置いて
義勇がそのチョコも先程と同じ様に
包んで捨ててしまった
「何故なのですか?」
夫婦の契りはまだ結んでいないのに
寝所も共にするのには早い
「ここが、後宮だからだ」
後宮…