第54章 スルタンコラボ企画 中編 お相手:冨岡義勇
そう杏寿郎が
とんでもない提案を義勇にして来て
「経験する方が、俺が
色々と言うより、分かるかと思うがな?
百聞は一見に如かずと言うだろう?」
目の前の義勇が杏寿郎の方に
その端正な顔を歪ませながら
じっとりとした視線を向けて来て
「煉獄。お前は俺に、自分の妻と
同衾しないかと持ち掛けているのか?」
「あれを毎晩となると、義勇。
お前の妻が俺の妻と共寝をして
無事なのが、
俺には理解が出来ないんだがな」
その言葉に義勇が
更に端正な顔を歪ませたのは
言うまでも無いのだが
後宮に入って
その2人が勧める 離れに案内される
中央の部分には共有する居間を持つ
大きめの離れで
寝室となる部分は大きく
東西に分かれていて
渡り廊下の先になっている様だ
確かにこの離れなら
一緒に小野寺と過ごせるし
寝る時はその 離れてるから
漏れ聞こえると言うのも
余程はしたない大声を上げなければ
何とかなりそうな感じがする
「他にも、あるから幾つか見るか?」
そう言って 2人王子には妃は居ないので
どの離れも空いてるのだけれども
「まぁ、古いのを
壊して新しく建ててもいい」
そう義勇が言って
「とんでもございませんっ、
こんな素敵な建物を、まだまだ
使える建物ばかりにあります」
草原での生活は移動式の住居であるゲルだから
こんな風に 移動させられない
住居と言うのに 住んでいいと
言われているだけでも
有難い話であるのに
新築するなんて…とんでもないっ
「そうだな。草原での生活は
移動が基本だ、君達の荷物が
少ないのも、遊牧民の生活だからこそだな」
特定の定住場所を持たず
草を求めて広大な草原を移動して生きる
他の離れも見せて貰ったが
どれも立派だったのだけども
どうしても ふたりでとなって
夜のその夫婦での事を考えると
最初の離れが一番
理にかなってる気がしたので
その離れに荷物を運んでもらって
2人は 王子としての
仕事へと向かってしまった
元々の荷物の整理と仕分けをして
そうしていると 生活に必要な物が
ドンドンと運び込まれて
侍女がドンドンとそえを仕分けして行く
支度を整える為の部屋には
大きな鏡のついた鏡台が
部屋の右と左に配置されて
その横にあるドレスを掛けている場所には
左に青のドレス 右には赤のドレスが並ぶ