第54章 スルタンコラボ企画 中編 お相手:冨岡義勇
「後、私はこれを
統べる者ではございません故」
要するに この威圧的な
存在感のある 何かは
強大な力がある 恐ろしい者であるが
それは 気まぐれであるが故に
彼女の言う通りの行動はしないと…
「それに、気まぐれは
人の心の闇を食らいます。
恐ろしい、者にもありますが…。
気まぐれを統べる術を私が身に付けれれば」
「はははは。これ以上の
強力な加護は他にあるまいな!」
この部屋ごと押しつぶれそうな
威圧感を気にしない様子で
杏寿郎が笑い出してしまって
「なら、これが
…俺の心の闇を食らうのか?」
「義勇様は人より、濃いい深い
闇の色をお持ちにありますから。
きっと、気まぐれも義勇様の闇は
好物にありましょうから。
幼い頃は恐ろしくありました、
自分が闇を吸うように、闇が集まるのです」
「ふん、俺は認めんし、
そんな物の存在は知らんからな!
もういい、お前の石を見せろ」
そう槇寿郎がみくりに言って来て
「ああ。あの石の事だ、
アジルダルの商人から貰った」
「こちらの、ガーネットにありますか?」
ゴソゴソとみくりが懐から
包帯の様な布で包まれた
ガーネットを取り出して来て
「ふん。さっさと見せろ」
シュルシュルとその石を包んでいる
包帯をみくりが手で解いて行くと
その布の下からは
深海の様に深い 青色を称えた
真っ青なガーネットがその姿を現す
その青いガーネットを眺めると
みくりが愛おしそうにその石を撫でて
「青いガーネット、綺麗。
義勇様の瞳と同じお色にあります」
その石をギュッと自分の胸に抱いた
「幻の色…か」
そうつまらなさそうに槇寿郎が言って
「おとぎ話とばかりに、存在していたのか?」
「ふん、存在する訳があるまい。
この世の存在してるのは、
幻と呼ばれているブルーガーネットですら
くすんだ淡い青でしかない。
全く、俺は金色の目の娘を連れて来いと
言っただけだぞ?恐ろしい化け物を
二匹、連れて来いとは言っておらん」
恐ろしい化け物 二匹と
そう槇寿郎が
みくりと小野寺の事を例えて来て
お互いの顔を見合わせた
「恐ろしくなど、ございませんに。
私も、みくりもか弱い
只の小娘にしかありませんのに」
そう瞳を潤ませながら
小野寺が訴えて